内容説明
江戸時代の刑罰は過酷だったか。さまざまの犯罪とその興味津々たる裁判経過を満載。鬼平も登場する『御仕置判類集』より。
感想・レビュー
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印度 洋一郎
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江戸時代に幕府が編纂した、裁判の判例集「御仕置類例集」から色々な事件を盗み、傷害、殺人、詐欺などに分類して紹介。今とは罪の概念が違うので、離婚を言い出した妻を殺した夫が無罪になったり、火事になった家から父親を助けられなかった息子達が遠島になったりと理不尽にも思える判決もある。中には、鬼平犯科帳の長谷川平蔵の上申した文書も散見出来るし、シーボルト事件や蛮社の獄の裁判の経緯の記録も貴重だ。判決に至る評定所の議論についても記録されていて、どういう基準で裁いているかがわかるのも興味深い。2010/07/21