感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
R氏
7
熱っぽいいかさま男と焦らしテク満載の尻軽女、とても美しい絵なのに皆そのように見えてしまう不思議に心が弾む。「ひだ飾りとレース」とはよく言ったもので、この美しさにはふんわり感とどこか脆く千切れてしまいそうな繊細さがあり、にもかかわらずのいかさまと尻軽、それは滑稽な表情にあるのだった。ねちっこい濃い顔に愛は驚くほどよく似合い、男の騙り、女の見せ掛けのうぶが大根役者のごとく大袈裟なのだ。笑える。なのだけれど、私が最も好きな絵は「蝶々」。ただひたすら色彩と構図と女たちが美しい。結局は美しいのが一番である。2011/04/10