内容説明
父と兄の原因不明の死のせいで、伯爵位を継承するため戻りたくもなかった故郷のイギリスへ帰ってきたクレーンは、強烈な自殺願望に襲われる。追いつめられた彼は超常的な力に救いを求め、能力者のスティーヴン・デイを頼るが、スティーヴンにはクレーンの家族を憎む十分な理由があった。彼の家族は暴君であったクレーンの父親によって、破滅させられていたのだ―。KJ・チャールズ、待望の新シリーズ開幕!短篇「刺青に纏わる間奏曲」も収録。
著者等紹介
チャールズ,KJ[チャールズ,KJ] [Charles,KJ]
夫と二人の子ども、手に負えない庭、殺戮衝動を抱える猫と共に、ロンドン在住。著書は主に英国が舞台の歴史ロマンス小説で、大部分がクィアージャンル、そこに時折ホラーやファンタジーがまぶされている
鴬谷祐実[オウタニユミ]
物語なら何でも読む雑読者兼翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くたくた
44
〈海外作品読書会参加〉基本ゴシックロマン調。英国の古い屋敷を舞台とした黒魔術物なんだけど要所要所で地崩れするみたいにゲイロマンスに雪崩れ込む。一瞬地軸がずれたみたいにくらっとして面白い。魔力絡みの本筋はもっとドラマチックに盛り上がってもよかった。なんだかドタバタしているうちに終わってしまって、もっと楽しみたかったのでちょっと残念。あっちの方は散々お預けを食らってラストで大いに盛り上がる。カササギが飛び回るおまけの短編も面白い。『カササギ殺人事件』でも出てきたカササギ数え歌が呪文替わりでかなり格好良かった。2023/06/24
あんコ
24
★★★★★19世紀イギリス。20年前に父親から極東へ追いやられたクレーンが伯爵で暴君である父と長男が亡くなったため急遽家を継ぐために帰国したが謎の自殺願望に襲われ何回か自殺未遂を…命の危機にその手の専門家を紹介してもらったのが貧相でチビな能力者のスティーヴン・デイ。しかしスティーヴンもクレーンの父と兄を憎んでいて…でも仕事は仕事と割り切りこの謎に挑むが……!?この謎の裏に潜む者。思惑。カササギに纏わる謎。ホラー・オカルト系が好きなのでBL抜きでも私好みの話で面白かったわ~♪次巻が楽しみな作品。 2022/12/27
いいちゃん
11
★★★☆☆原作9年前に既読。もう全く忘れてるし。なかなか世界観に入れず苦労したけれど(あと、スティーヴンとデイさんが同一人物となかなか頭が理解してくれなくて…)、途中からスティーヴンがすっごく可愛く見えてきて、萌えてきてからは早かった。2,3巻も手元にあるので読んでみよう。2024/02/01
モルテン
9
英国を舞台にした謎解きオカルト冒険活劇&ヒストリカルロマンス。上海帰りの男と不思議な能力遣いの郊外の貴族の邸宅を中心とした謎解き、不気味なオカルト事件、アクション、ロマンスが詰め込まれてて、それはもう面白い。これに加えて、原書を読んだときにも感じたんだけど、ラストの爽やかな開放感と幸福感たるや。それまでのストーリーがあってこその明るさに救われる。やはりKJチャールズは良い。2024/03/28
きなこチロル
6
【カササギの魔法シリーズ1】楽しみにしていました!19世紀の英国。父と兄が亡くなったため、上海から戻ってきたクレーン伯爵ルシアンは、謎の自殺願望に苛まれており、それを解消すべく、不思議な力を持つスティーヴン・デイに依頼する。タイトルが素晴らしい。2人の関係は曰くつきだけど、スティーヴンは仕事に対して責任があり、ルシアンも素直に受け入れている。ルシアンの体中にあるカササギのタトゥー、ルシアンと従者メリックの気の置けない会話も楽しい。ルシアンとスティーヴンはこの関係は一時だけと思っているので、どうなるか。2022/12/13