出版社内容情報
叔父から相続した屋敷に超常現象か?起き、シ?ャーナリストのロハ?ート・コールドウェルはコ?ーストハンター のサイモンを呼ふ?。屋敷にとし?こめられたサイモンが服を脱く?とその体は奇怪な文字て?覆われていてーー!?
内容説明
伯父から相続した古い屋敷で暮らし始めた新聞記者のロバートは、霊障に悩まされていた。壁は血を流し、夜な夜な聞こえてくる男同士の甘いうめき声―。依頼したゴーストハンターのサイモンはまるでボクサーのような佇まいだった。彼が部屋に入りシャツを脱ぐとその体は文字で覆われていた。「物語が自らを書いている」と説明するサイモン。その後霊によって部屋に閉じ込められ、支配された二人は互いを激しく求め合う―。19世紀末の英国を舞台に、ゴーストハンター・サイモンにまつわる事件を新聞記者ロバートが記したオカルティック事件簿。
著者等紹介
チャールズ,KJ.[チャールズ,KJ.] [Charles,KJ.]
夫と二人の子どもと共に、ロンドン在住。著書は主に英国が舞台の歴史ロマンス小説で、大部分がクイアージャンル。時折ホラーやファンタジーも(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルテン
25
英国ヴィクトリア朝のオカルト冒険譚&ロマンス。楽しかった〜!オカルト事件の連作短編集になっていて、新聞記者ロバートが霊能力者サイモンと出会ってからお互い相棒として事件を解決するようになる過程とロマンスが並行して描かれる。シャーロック・ホームズを想起させられていたらちゃんと作中言及されているのが心憎い。二人の絆が深まっていくのが愛おしくて読み終わりたくないのに終わりが来てしまう。あと、ヴィクトリア朝の物語を読むとどうしても「でも、この後の世界は……」と暗い気持ちになるところ、そこもしっかり描かれていて満足。2021/12/31
niko
24
前作も好きでしたが、これは本当に素晴らしかった。大衆娯楽小説へのオマージュ作品。ゴーストハンター・サイモンと新聞記者・ロバートによる、19世紀の英国を舞台にしたオカルティックロマンス。ロバートの記した物語形式で語られる本作は、2人の愛の軌跡だと私は思う。命をかけて互いを護る一蓮托生の愛。その、不器用で献身的な愛のカタチに心が震えて仕方がなかった。サイモンの身体を這い回る古代ルーン文字は、死者たちの物語。文善先生の描くエロティックな挿絵が、闇を覗くような物語に華を添える。ああ、どうか3人に心静かな余生を…2022/01/04
きょん
20
ヴィクトリア朝末期を舞台としたゴーストハンター×記者であり作家のバディ。出会いの事件が『Hしないと出られない部屋』だったのは驚いたけど、その後の人柱のエピソードは哀しく恐ろしい。事件を重ねるうちに恋人以上の関係に変化していくのも自然に感じられるし、権力や戦争の恐ろしさもしっかりと描かれていて奥行と厚みのある物語になっていた。2022/02/18
RIN
19
同性愛が刑罰の対象になる時代。未来にはWWⅡが待ち受けていた時代。声無き者達の物語をその身に刻むゴースト・ハンターのサイモンと彼の助手でありパートナーでもある記者のロバート。この本は彼らが遭遇したオカルティックな事件と人生の軌跡を描いた手記である。彼らの関係は社会的に許されるものでは無く、それ故に決定的な弱みとして政治の道具に利用された。傲慢な権力者に利己的な研究者。純粋に楽しむには時代が重く、彼らを憂うにはその愛が眩しかった。差別も戦争もクソッタレだ。人は奪うだけの生き物じゃない。恋人達の幸せを願う。2022/02/21
フキノトウ
16
ゴーストハンター·サイモン×新聞記者ロバート。ロバートの回想という形で語られるので読みやすかった。無骨そうなサイモンの告白、最高!見た目や普段の無骨な様子とは裏腹な甘い言葉に感動しました。2022/12/02