内容説明
元FBI特別捜査官で現在は大学で歴史を教えるエリオットの元に、失踪した学生の捜索依頼が持ち込まれた。捜査協力するFBI捜査官を前にエリオットは動揺を隠せない。そこには一番会いたくない、けれど決して忘れられない男、タッカーの姿があった。タッカーはかつてのエリオットの同僚で恋人。17ヵ月前、膝を砕かれ失意の底に沈んでいたエリオットに、冷たく背を向けた男―。シアトルの大学を舞台に繰り広げられる、甘く激しい男たちのミステリー・ロマンス。
著者等紹介
ラニヨン,ジョシュ[ラニヨン,ジョシュ][Lanyon,Josh]
ゲイミステリ作家。複数の受賞歴を持ち、十年以上もジャンルの先端を走り続けている。ゲイ小説ジャンルからスタートし、MMジャンルを牽引して流れを作ってきた作家の一人。代表作は、デビュー作でもある「アドリアン・イングリッシュ・ミステリ」シリーズ
冬斗亜紀[フユトアキ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くたくた
65
裁判所の銃乱射犯を追い、膝を撃ち抜かれてFBI退職を余儀なくされたエリオットは、痛む足を労りながら大学で教鞭を執っていた。そんな彼の身辺で学生の失踪事件が発生し、その親からFBIとの連絡役を頼まれる。しかし相手の捜査官は、かつて再起不能の失意の中のエリオットを捨てた男だった? 事件はやがて連続殺人事件に発展、エリオットも標的になる。キャラ立ても舞台もストーリーも十分読み応えがあるが、そこはMMって事でなにしろエリオットのツンデレと、ぶきっちょなタッカーの真っ直ぐな愛情と行き違いが滅法楽しい。良い本です。2022/02/08
LIV
35
分厚いので長らく積んでいた一冊。読み始めたら面白くて一気に読んでしまいました。BLというよりはミステリの主人公がゲイだったといった印象。事件のほうが気になって二人の関係がいつの間にか変化してたのもよく気づきませんでした(笑)でも私ならあの家にはもう住みたくないな…引っ越すよね?2016/07/02
みずほ
32
小説★★★★☆ 挿絵★★★☆☆ FBI×大学教授(元FBI)。職務中に撃たれた怪我が原因でFBIを辞め、恋人とも別れ、足の健康も失ったエリオットは、行方不明になった学生の捜査にやってきた元恋人のタッカーと一年半ぶりに再会する。連続殺人事件のミステリ部分と男同士の再会愛部分が平行して描かれている。ハヤカワミステリとかで刊行されてもいいくらい本格的なミステリ作品。440ページ程あるので、前半は少し冗長に感じたけど、後半は事件も恋愛も急展開、一気に引き込まれた。骨太の、男らしい男同士のラブロマンス。面白かった2013/11/30
olivegreen
31
他の方のレビューに同感でこれはBLというよりはゲイが主人公のサスペンス小説ですね。普通に「誰が犯人なのー!!」ってことが気になって読んでました。ゲイ・ロマンスの部分は前半ちょっと未練たらしく女々しい感じがしたけど後半二人が一緒になってからはかなりよかった。アクションにもはらはらしたし結構色々と楽しめる。三浦しをんさんの解説では大爆笑。草間さんのイラストにも惹かれて買ったけど思いがけず小説自体もこれだけ豪華な顔ぶれに見合った面白さで満足しました。2013/05/01
miyu
29
肩凝らないミステリで正月明けのボケた頭には優しい物語だった。M/Mってお初だが案外面白い。しをんさんの解説では作者は男性とあるが、今ではもうラニヨンが女性作家ということは周知の事実らしい。そうとは知らずに読み進めたがお馴染みのそこはかとない腐女子(貴腐人?)臭が漂っていた。エリオットのツンデレ具合はむしろ軽度。タッカーはエリオットには時にへたれる成長途中の攻めだった。アメリカでは攻め受けはその時の力関係等で容易にリバるらしい。つまりは全てを共有し合う関係なのだろうか。まぁ嫌な感じはしない。次作も楽しみだ。2018/01/07