内容説明
―なぜ、アドリアンは駈け落ちなどしたのか、異国から虜囚としてやってきた姫にだまされたのか…?黒龍隊長ゼルス・ダガンは逃げた二人を追いながら思う。古い貴族の家に生まれ、将来を約束された近衛騎士の青年は、美しい婚約者を置いて逃げる必要などないはずだった、と。しかし、月の輝く砂漠の中でダガンが二人を追いつめた時、アドリアンが吐露した心情、希求の叫びとは―!?それぞれの立場、願いが交錯する表題作のほか、長篇書き下ろし「街の灯は黄水晶色にあたたかく」を収録。期待のニューフェイス・甲斐透のデビュー作。
著者等紹介
甲斐透[カイトオル]
12月1日生まれ。射手座・B型。大阪府在住。2000年小説ウィングス冬号(新書館)にて「月の光はいつも静かに」でデビュー。その後、小説ウィングス、ディアプラスなどで作品を発表。趣味はいねむり。二匹のハムスター赤福、大福および、ピンクのクマのいくちゃんを扶養している
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