内容説明
秀翔が目を覚ますと、そこは異界だった。人間を食料として扱う店で間一髪のところを、山羊頭の魔物サタナキアに買い取られる。命の危機はなくなったものの、檻に入れられ、首輪と鎖で繋がれ、ペットとして飼われる秀翔。だが知的なサタナキアと互いの言語を教え合い、やさしくかわいがられるうちに、秀翔は彼に惹かれていく。一方、サタナキアのほうにも変化が表れ…?高位悪魔×普通の大学生、種族を超えた恋。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょん
32
友人から夕映先生の訃報を知りショックを受けました。素晴らしい作品を沢山ありがとうございました。 知的な高位悪魔×魔界へ拉致された大学生。食肉として売られていたところを攻に買われ、ペットとして愛玩されるうちに言葉を覚え意思疎通を重ね、徐々に関係性が変わっていくのが良かった。確かに自分の使う言葉を話す相手を純然たるペットや食料とは見られないですもんね。言葉って大事なんだなあ。受の割り切りの良さや楽観主義も辛くならずに読めて良かったし、今後は魔界の人権回復にも取り組んでくれると良いな。2022/01/11
しましまこ
22
異世界で食肉として売られる寸前で山羊頭の魔物に買われて鳥かご生活。知的な高位魔物が素敵。2021/11/14
RIN
18
最高に良かった。特殊性癖に突き刺さるシビアな世界のお話。人外モノは数有れど、こんなにも山羊。食肉用として売られていた秀翔を救ったサタナキア。彼は秀翔をペットとして可愛がるのだが、この魔界が実に救いが無い。猿の惑星を彷彿とさせる、人間が人間らしく生きる定義を前半にガツンとぶつけてくる。飼い主とペットの関係はその魔物によって様々だ。衣服の有無や食事、繁殖に至るまで。BLである以上サタナキアの感性が人間に近いのは必然的だし行き着く先は溺愛ロマンスなんだけど、これは不幸中の幸い以外何物でも無い。是非続編を求む!2021/11/27
なみ
9
雑誌で読んだ時は救いようがないのでは?この先一体どうなる?と不穏さが非常に気になって文庫化待ち焦がれてました。寿命問題のこともだけど、どうやってそこで生きていくかを見出す秀翔の順応性の高さがすごすぎます。意外とサタナキアの恋の奴隷度が高くてニヤけます。2021/11/12
にむー
8
異界に連れ去られ、食用として売られる所だった秀翔。サタナキアに買い取られ、ペットとして飼われることに。人外もので完全ファンタジー…読むか迷ったけど、先生の最後の作品なのでやっぱり読みたい❗と思って。お互いの種族を理解しようとしながら惹かれ合う過程が良かった。先生はあとがきで「人外だからこそ書けるお話にしたい」と書かれていたけれど、人間らしさとは?とか、自分の考えている常識は他から見たらどうなんだろうとか、価値観が合うというのは大事だなとか、人外×人間で色々考えさせられた。魔物に溺愛されるお話面白かった‼️2022/01/16