内容説明
五歳児前後の知能しか持たない少年ニコラスと、人間並みの頭脳を持つ老犬ジョン。ハイビルア研究所で暮らす一人と一匹はいつも一緒だった。けれどジョンの寿命が迫ったある日、研究所が火事になり…？第３話“ｅｔｅｒｎａｌ ｆｒｉｅｎｄ”、少女ミアと“フェードアウト”したハイビルアの青年スタンリーの恋を描く第４話“Ｇｉｒｌ ａｎｄ Ｄｏｇ”ほかを収録。舞台は近未来、“願いの叶う薬”にまつわる愛の物語、文庫化第２弾！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黎明卿（禍腐渦狂紳士タッキー）
131
【一つだけ願いが叶うというなら、人間になりたい。ニコラスと同い年の人間になって、彼の人生をずっと傍で見守っていきたい（ジョン）】エロス度零 〝願いの叶う薬〟にまつわる物語第2巻。今回はジョンとニコラス、ミアとスタンリーのお話を収録。ジョンとニコラス編では、2人の揺るぎない絆に号泣させられ、すれ違ってしまった願いや人間の愚行に対する驚きが凄まじかった。ミアとスタンリー編では、ホープタウンに暮らしながらも自分を見失わないミアの強さ、スタンリーとのラブにほっこり。ミアが幸せになれて本当に良かった！2018/10/19
おかーきゃん
17
はじまりの章おわりの章既読。ジョンとニコラスで泣けて泣けて・・・。ぶっ飛んだ設定でも気にならず読ませてくれる木原作品です2018/10/15
Yucca
16
★★★★☆：シリーズ２作目。ケモ耳モフモフをビルア種として取り込みつつ、ハイビルアやホープタウンなど独特の世界観で展開していく短編連作。前半は犬と青年の友情、後半は中年ビルアと少女の恋愛。ＢがＬしてなくても、しっかり面白い。特に後半は男女の話なのに一風変わった二人の関係性といつ不幸のドン底に突き落とされるんだ…とハラハラする展開にグイグイ引き込まれました。ミアの負けん気が強く強かな性格のおかげで暗くなりすぎないのも良かった。木原さん、さすがすぎる。2020/08/05
だいらかずよ
12
ホントは全部読み終わってからって思ったけどミアとスタンリーの話が素晴らしくて感想入れずにはいられなくなった。木原せんせーやっぱり凄い。痛い話も読むのが嫌になるような話もこんな暖かくなる話も書けるなんて凄いわ。八尋のお母さんがこんなに優しい人で良かった。ホープタウンという劣悪な場所で産まれなかったらこんな悲劇は生まれなかったけどスタンリーとは出会わなかったわけでこんな幸せが待ってるなんてね。八尋絶対姪っ子達に甘々になるんだろうな(笑)2020/05/13
たろさ
12
単行本未読。吸引力はさすが。オムニバスが複雑に絡み合って来るので、ラストはどうなるのか。 「願いごとはただひどつ、君と話ができたらいいのにー」ハイビルア研究所の裏側の話が晒される。ジョンとニコラス、まさかの実験。この2人は本当に被害者。薬を巡って錯綜する人間関係。最後の衝撃たるや。もう、泣くに泣けない。いや、泣いた。ミアとスタンリーは、言わずとしれた、ラビの養い親。ケビンやミンジュ等の研究者は言い分はあっても、同情はできない。書き下ろしで2CPとも、光が見えて良かったです。2019/07/15
