内容説明
初恋は実らない。花すら咲かない。だから再会なんてしたくなかった―。学生向けの下宿を営む祖母のもとで暮らす芙蓉は、六年前の淡い恋の記憶だけを大切にして生きている。それは芙蓉にとって一番大事な宝物だ。ところがかつての片思いの相手である西澤が、大学進学のために祖母の下宿に入居してきた。昔の面影を残しながらも、もっと魅力的になっていた西澤に、切なさとともに胸の痛を覚える芙蓉だったが…?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
176
初読。2015年230冊め。著者らしい遠慮がちな美人が可愛らしかった。芙蓉なんて素敵な名前、あの母親がつけるのかなと思っちゃうけど。私も雑草好きだから、庭で膝を抱える芙蓉ちゃんにシンパシー。後書きも笑わせていただきました。アニメイト限定のSSがまさかの西澤母視点で、それがまた泣けるんです。*SS入手できなかった方のために簡単なあらすじを以下コメントに書きました*2015/03/08
扉のこちら側
66
2016年1035冊め。再読。何度読んでもいい話。シングルマザーの母親とその恋人からの暴力とネグレクト、学校では貧困と清潔保持ができないことでいじめに遭うという悲惨な小学生時代なのに、それでもほのかな初恋があったりとかもう切ない。理解ある田上先輩がいいキャラなので大町館でのスピンオフを期待したいのに、彼女持ちとは、まあ残念。 2016/12/06
たべもも
63
★★★★☆。作家買い。とにかく優しくて可愛いお話でした。受けの母親以外みーんな優しげな人ばかりだし、受けくんとおばあちゃんの関係にもちょっとウルっときました。攻めが意外に気持ちを前面に出すところも読んでいて清々しい。草間さんのイラストも素敵でした。2015/03/10
扉のこちら側
57
再読。2016年101冊め。何度読んでもいい話だと思う。おまけペーパーの、西澤母視点のSSがまた傑作なんだけど、おまけ故に読めない方は本当に残念だと思う。2016/02/14
ザ・フライ
55
再開もの。ほんわかな感じに癒された。薄幸の美人と優等生。月村さんの作品は好きです。田上さんもよかった!ああいう人がいると救われるね。草間さんのイラストもとても良い。2015/03/17