内容説明
生まれつき人の“心の声”が聞こえるカンナは、ずっと誰かの役に立ちたいと思っていた。ある町で心の中まで寡黙な男・ガクタと出会う。大怪我を負っていた彼が洩らす『痛い』という心の声を放っておけず、世話を焼くカンナ。最初は鬱陶しそうだったガクタもそれを受け入れ始める。だが彼がヤクザだと知っても変わらないカンナの態度に、下心があると誤解したガクタが手を伸ばしてきて…?大人気シリーズ第3弾!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
59
2017年90冊め。再読。シリーズ3作目。人の心の声が聞こえるが故に心を病んだ母親を見ていたため、同じ能力を持ちながら人のためにと働くカンナが痛々しい。ただ一人で悲壮な宿命を背負っているような顔をしない彼だから、アパートのみんなも心が通い合うようになったのだろう。シリーズ中ではこれは一番安心して読める。2017/01/29
扉のこちら側
47
初読。2015年330冊め。シリーズ前作は雑誌でのみ読了。母の言葉に縛られたカンナと、空っぽに近かったガクタがお互いを必要としていく様がよかった。SSペーパーの気は優しくて力持ちな額田さん、素敵。2015/03/19
楓
36
シリーズ3作目。やっぱり最初が一番好きだったかな。今回は母もまた同じく心が読めてしまうという青年の話。母親の言葉がある種の呪縛となって人の役に立ちたいと願う主人公。でも何と無く彼の気持ちはわかるかも。心が読めるなんて辛いことの方が多いかもしれない。だからこそ自分がなぜその能力を持って生まれたのか意味を見出したくなるんだと。お相手は893。どうやって彼を救うのかとハラハラしたけど。。。うー、あれで抜けることが出来たのかがちょっと釈然としないかなー。あと、Hにいくとこも人のためにあそこまで?と思っちゃう。2014/09/15
このん
29
(2014年9月7日3847)『言ノ葉』シリーズ3巻目。最初の本が1番良いです!カンナは人の心の声が聴こえるので誰かの役に立ちたいと思っていた。入居したばかりのアパートで出会ったヤクザのガクタの怪我のお世話等を勝手にするうちに好きになっていた。ガクタはカンナと知り合ってから優しい気持ちを持つ様になっていたが組長の言う事を聞かなかったので半殺しの目にあった。カンナのお陰で足を洗う事が出来たガクタ。2人の関係は順調。人の心を読み奥底まで知ってしまうのはキツイね。ガクタのポロリと零してしまう言葉が楽しかった。2014/09/07
きょん
28
カンナの人の声が聞こえる事を、人を助ける事に使おうという前向きさが、初めの方は強迫観念に思えて逆に彼の脆さを感じたのだけれど、ガクタを好きになり、不特定多数に向けない優しさを発揮し始めた頃から逆に生きる強さを感じるようになった。攻めは何にも考えてないけど、「美味い」と「可愛い」を連発してるのが可愛いのと、(考えていないが故に?)受の能力を異端視しない所がお似合い。パラレル設定は私も辛かった記憶があるから、あえてここではなくても良かったなあ。2014/09/06