内容説明
八年のイギリス駐在を経て日本に戻って来た達生は、帰国したその足でオフィスに向かい、海外赴任中に入社したり異動してきた社員たちと初めて顔を合わせることに。しかし、達生の存在に気づいていないのか、ひとり黙々と仕事を続ける男がいた。その男―和は、渡英直前の旅先で一夜を共にし、置き去りにしてきた相手だった…。大人のためのビタースウィート・ロマンス。オール書き下ろしで登場。
著者等紹介
一穂ミチ[イチホミチ]
1月生まれ。2007年小説ディアプラス・ナツ号掲載の「雪よ林檎の香のごとく」でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
88
初読。お互いに忘れていた(と思われた)再会から。同僚との関わりや過疎の雪国、そかに住む和の心情の描写がよかった。特に和が「家を見られたくない」って言うところとか、こういう心理を選んで書くところがうまい。2011/10/08
天使を愛するアカウント
63
商社勤務のリーマン・清坂×異動したての部下・和。これはよい、もう過去話から一気に惹き込まれて最後すごいじんわり幸せ気分に。まるで私自身がそこに行ったかのような紋別の描写、砂糖や種を残す話、雪の女王の話、そして最後のマネークリップの仕掛けに感動。年をとった故に臆病な攻とツンとしてるように見えてものすっごい根性あって一途な受、これからはその8年を取り返すくらい甘々に過ごしてくださいwHP掲載の健康診断の結果を見せる見せないの何気ないやりとりも、本編すぐ後の2人を和視点で描いたショートもにやにやものw 大満足。2011/11/11
マッコリ
52
冷えた身体にじわじわと血が通って暖かくなるように心もじんわり暖まる作品でした。「あなたは僕にとっての砂糖だった」―この言葉に集約された想いに泣けた!2012/02/19
ふみ
52
八年の海外赴任を経てきた課長・達生×入社し異動してきた・和♪再会モノに執着愛がくっ付いた感じかなぁ?(逆かな)…8年間、海外赴任していた達生が、帰国し元の職場に戻ると、そこには渡英直前に旅先で一夜を共にし、置き去りにしてきた相手・和が居たという!過去二人が、北海道で出逢った思い出を上手く織り交ぜながら、お話が進められていました…いつものことながら表現力豊かで綺麗な文章と、小物使いがお上手~それに後半、和の一途な想いに泣かされたました…素敵なお話で一穂さんらしくて、とってもよかった♪同人誌を期待してますw2011/10/09
せ〜ちゃん
40
★★★★2015/06/16