内容説明
日本舞踊の初演を復元しようとする際、もっとも役に立つのが初演の台本です。とくに作者自筆の台本を見ると、初稿から作曲、振付、稽古を経て、実際に上演されるまでの過程が手に取るようにわかるものがあります。長唱や常磐津の正本の絵表紙、絵本番付(パンフレット)や辻番付(ポスター、チラシ)に描かれた主人公の絵姿からは、初演の舞台の方向性を見て取ることができます。本書は、それら初演の舞台の周辺に残された資料を整理したものです。
目次
相生獅子=風流相生獅子
浅妻船=浪枕月浅妻
雨の五郎=時致・五郎
操三番叟=柳糸引御摂
粟餅=花競俄曲突
田舎源氏=古寺
浮かれ坊主=願人坊主
うしろ面=尾花狐
靱猿=花舞台霞の猿曳・新うつぼ
梅川=道行故郷の春雨〔ほか〕