内容説明
卓越した芸術的想像力でバーナード・ショーが描くイギリス版『桜の園』。恋愛遊戯にあけくれるロンドン郊外の中産有閑家庭を舞台に、88歳の老船長と若く美しい娘の奇蹟のようなラブ・ロマンスを、文明の嵐を生きぬく真の叡智を込めて描くショーの代表傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
無能なガラス屋
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船長:「だけど、人間が世の中に興味をもつのは、自分に対する興味があふれ出たまでのことさ。若いときは、自分の容器がいっぱいでないから、自分以外のことには考えがまわらないんだ。それが大人になると、容器からあふれ出てくる。その結果、大政治家や偉い哲学者や探検家が生まれるのさ。ところが老人になると、自分の容器の中も涸れちゃって、また子供に返るんだ。」2022/11/05
takeakisky
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ものすごく奇妙で、大変魅力のある芝居。興奮する。あっという間に一幕が終わってしまう。わしは用心深くとは言わなかったよ。将来を考えろと言ったのだ。叡智。人間の強さと弱さ。うんと格好のいい第二幕。どんどん人物がふくらむ。第三幕、さらに遠くへ。わたしだって、わからないわ。でも、何かわけがあることだけはわかっているわ。身のある、そして機知に富んだ台詞の応酬。カタストロフ。底に流れる冷たく硬い世界と、そこから遊離しているようで縛られた人々。笑いのめし、洒落のめしても、透けて見える世界。生き方はいろいろ。凄い芝居だ。2025/07/20




