スキャンダルの祝祭

スキャンダルの祝祭

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  • サイズ B6判/ページ数 237,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784403240317
  • NDC分類 778.253

内容説明

1941年、アメリカの映画界、新聞界に何が起こったか?本書は、『市民ケーン』の〈生い立ち〉について当時の状況をつぶさに語った映画論である。と同時にスキャンダルの洗礼にまみれたこの傑作を、生み、そして迎え入れたアメリカという社会についての文化論でもある。まさしく事件としての『市民ケーン』とは、新聞王ハーストをまきこんで、25才の寵児ウェルズと百戦錬磨の老獪な脚本家マンキーウィッツとがくりひろげた、富と権力と名誉をめぐる「並みはずれた」男たちの白熱のドラマだったのである。

目次

奇跡を期待された『市民ケーン』
新聞王ハーストに怯えた映画界
スキャンダルが映画の題材となった!
ハリウッドにやって来たジャーナリストたち
ニューヨーク記者時代のマンキーウィッツ
サイレント映画の台詞
30年代喜劇映画の都会性
新聞映画の隆盛
ハーストの「イエロー・ジャーナリズム」
アメリカ喜劇を駄目にしたスターリン主義
マンキーウィッツの酒と博奕の日々
騒ぎを仕掛けた聖なる怪物たち
ハーストをモデルにしたらどんなスキャンダルになるだろうか
ハリウッドに嫌われたウェルズ
『市民ケーン』を支持したジャーナリズム
スキャンダルに屈したアカデミー賞
つくられたウェルズ神話
脚本クレジットをめぐる駆引
ウェルズの映画作りの興奮と情熱
権力としてのジャーナリズム
「バラのつぼみ」とゴシップ的手法
ウェルズの仕掛けた魔術ショー
映画におけるハーストの虚像と実像
傷つけられたマリオン・デイヴィス
メロドラマにおける映画の神話性
メロドラマから蘇生した映画の魂
映画監督としてのウェルズ
ハーストの復讐
『市民ケーン』裁判
贖罪の山羊となったウェルズ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

JunKawa

1
伝説的な映画「市民ケーン」が、長い年月の間に帯びてしまった神話性を剥がそうとする大胆な試み。それは、蓮實重彦が徹底的に見ることにこだわって小津安二郎の映画を読み解いたように、ケイルはアメリカ人が作ったアメリカ映画としての「市民ケーン」との視点にこだわり、それを体現した脚本家マンキーウィッツの知られざる功績にアプローチすることで読み解こうとしている。2016/12/10

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