内容説明
密造酒とフラッパーとガーシュイン…。ニューヨークの街角に生きる顔役、ギャンブラー、踊り子、新聞記者たちの、それぞれの〈アメリカの夢〉。ロマンチックでオカシクて、そして非情。アメリカン・ユーモアの鬼才デイモン・ラニアンの傑作スラップスティック・コメディの一品料理をどうぞ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hotspur
1
デイモン・ラニアン#3。禁酒法時代のブロードウェイという限られた世界であるにもかかわらず、そこからラニアンが提供するプロットのバリュエーションには相変わらず驚かされる。「リトル・ミス・マーカー」など、昔風の「ペーソス」と言う言葉を使えば、ペーソスの塊のような短篇であるし、「葬儀屋の歌」などはプロットの捻りで読ませる。また、どの短篇も最後のオチが効いていて楽しい。それ以上に加島祥造が「小さな小川」と呼ぶエッセンスがどの篇にも行き渡っていて考えさせるものがある。2020/10/06
