内容説明
史実や江戸の市井に投げ込まれた奇想、幻想、曽我物語の「世界」太平記の「世界」などといわれる歌舞伎独特のドラマ構造を歌舞伎の成立をたどりながら解き明かし、荒唐無稽の域を越えてファンタジックでさえある歌舞伎の魅力を探る。物語が分かることで歌舞伎がいっそう楽しくなる。
目次
世界―超時代的感覚の背景
御家の重宝―狂言を綾なす象徴的器物
妖かしの芝居―化生・妖怪・怨霊の出る狂言
妖精の踊変化の舞―精霊・妖怪・怨霊の舞踊
妖術変幻―妖術師の出る狂言
魔人の系譜―悪王子と公家悪
たとえば京伝―略説・江戸の怪談と伝奇
幻妖歌舞伎評判(対談 郡司正勝)
歌舞伎作品略年表―人形浄瑠璃対照