内容説明
預言者ヨハネの断首をもとめた聖書の中の王女は、19世紀末、オスカー・ワイルド、ギュスターヴ・モロー、オーブリー・ビアズリーらによって、官能と豪奢、残酷と妖気、生の逸楽の飽きた〈運命の女〉として甦った。その影響は、森鴎外、芥川龍之介、日夏耿之介、三島由紀夫に至り、時代の影を色濃く投げかけている。
目次
サロメ像の形成(史実と聖書のサロメ;ワイルドの1幕劇『サロメ』;サロメ月の神話)
明治・大正期のサロメ像(明治期の翻訳―森鴎外その他;大正期の舞台―松井須磨子から浅草へ)
文学者のサロメ(芥川龍之介の未定稿『サロメ』;サロメは何故ヨハネの首を求めたか;日夏耿之介の『院曲撒羅米』;三島由紀夫の『サロメ』演出)
資料篇(座談『サロメ』と三島由紀夫その舞台;日本における『サロメ』書誌〈明治・大正時代〉;エピローグ―甦るサロメ;戦後の主な『サロメ』上演一覧)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuzupon
5
サロメの話というよりは、日本の演劇史の話。オスカー・ワイルドの脚本からヨーロッパでの展開の話は1章のみです。日本でこれほどサロメが上演され続けたとは知らなかったし、森鴎外以外の脚本翻訳者がこれほどいたとは思わなかった。明治時代の貞奴らの歌舞伎風サロメ、芥川龍之介の大正の女子大生風サロメ、三島由紀夫演出のサロメ…眩いぐらい豪華な顔ぶれのかつてのサロメ劇を見てみたい。2013/04/06
茶器
3
ビアズリー展でみたワイルドのカリカチュアとサロメの挿絵がずっと引っ掛っていたのですが、この本を読んで繋がりました。戯曲『サロメ』の日本における変遷が主題でしたがなかなか面白かったです。2015/12/31
さくたろう
1
長かった! フランスで、日本で、サロメがどのように受け止められたのか写真付きでなぞられている。2015/05/05
か〜ら
1
サロメ像受容の変遷の研究書。ビアズリーの挿絵はワイルドのお気には召していなかったんだって。明治以降の日本の演劇史の本としても大変興味深く読める。2008/12/03




