内容説明
日本に人魚の知識が移入された古代から、人魚像の確立された近世に至るまでの人魚の変遷を述べ、人魚のモデルの地域差、人魚伝説、モデルになった動物についても触れた動物民俗誌。第2部では、他の伝説上の動物たちにも論究している。
目次
1 人魚の進化(人魚の魅惑;人魚の出現記録;人魚像の変遷;人魚のモデル;人魚に関する伝説;人魚に関する俗信;人魚像の確立)
2 伝説の動物たち(バクは夢を食べるか―獏とマレーバク;犀の角は薬になるか―インドサイ;麒麟とキリン;狛犬とライオン)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りりす
17
今年の夏は人魚のことをいつもよりたくさん考えようと思って借りた本。人魚の文献として良い本だと思う。ただもう少し振り仮名とか一文の長さとかを調節して読みやすいと良かった。あまり頭に入って来なかったので読み直しは必要かもしれない。海の修道士というのが印象的だった。というかこんなのに会ったらびっくりして持って帰る。2015/09/17
にがつ
3
読みやすくて面白かった。人魚だけかと思ったら、後半は伝説の生き物特集だった。しかしどれもいろんな文献があんだねえ。どうでもいいけど「嘘八百とは人魚からきているのかは定かではない」みたいな冗談的な記述がたまにあって、ちょっとおかしみを感じる。あと人魚のところで「こうであってほしいという人々の願い」で人魚がうつくしくなって伝えられてるのが確かになあと感じる。2015/09/10
よね
1
想像上の生物で特に人魚が好きなため、面白そうだなと思い購入。各地の伝承、モデルとなったと思われる動物とその分布等他項目に渡り非常に興味深い。全部人魚の話題かと思いきや、後半は他の動物についての記述だったのが多少残念(バク、サイ、キリン、狛犬(獅子)について)。後半は麒麟の話が面白かった。2021/07/18