内容説明
やや誇張して言えば、教育の現場における宗教という問題は、戦後日本にあっては一種タブーに近かった。「臭いものに蓋」という意識であったかもしれない。宗教についての基本的知識を教わらなかった世代がどんどん増加した。現実には新しい宗教運動は次々と生じ、それらは時代の特性を反映していることが多く、ときに若者の心に訴えるものをもっている。多くの国が新宗教に神経を尖らせる、こうした世界的趨勢を考えるなら、宗教についての論議に蓋をしておくことは、むしろ時代への逆行であるということになる。
目次
第1部 現代日本の宗教教育(現代日本の宗教教育(宗教教育のもろ刃の効果―武蔵野女子学院の宗教教育の試み;若者の感性を引き出す―清泉女学院の宗教教育の現場から;建学の精神を守って―浪速学園の宗教教育の理念 ほか)
パネルディスカッション 宗教教育の現状をめぐる討議
対談 公立学校における宗教の扱い
コラム 教室における「宗教」)
第2部 宗教教育の国際比較(宗教教育の国際比較(政策としての宗教教育―英国の現状から;マレーシアのイスラム教育と「一六の徳」;韓国のキリスト教系学校と宗教教育 ほか)
パネルディスカッション 宗教教育の国際比較をめぐる討議
コラム 世界の宗教教育)