内容説明
初録音から100年。ジャズは、時代とともに生きてきた。30、50、70代―異なる世代を代表するジャズ評論家3人が、ジャズの過去と現在を往還し、未来を照射した、100年目の記念碑的ジャズ鼎談!
目次
序章 いま、ジャズのライヴが面白い
第1章 「モンクはリトマス試験紙、こいつはジャズがわかってるかどうかって」
第2章 「やっぱりその時代にとって一番気持ちのいいサウンドっていうのがあるわけです」
第3章 「インターネットはジャズの世界も変えた。いいことだと思います」
終章 ジャズ、来るべきもの
著者等紹介
後藤雅洋[ゴトウマサヒロ]
1947年東京に生まれる。1967年慶応義塾大学商学部2年在学中、20歳で東京・四谷でジャズ喫茶「いーぐる」を開業。1988年、初の単行本『ジャズ・オブ・パラダイス』(JICC出版局)を上梓。以後ジャズ関係の著書多数
村井康司[ムライコウジ]
1958年北海道函館市生まれ。上智大学文学部新聞学科卒。大学時代はジャズ・ビッグ・バンドでギターと編曲を担当。1987年から音楽についての文章を雑誌などに書く。尚美学園大学音楽表現学科講師
柳樂光隆[ナギラミツタカ]
1979年島根県出雲市生まれ。出雲高校~東京学芸大学卒。元レコード・ショップ珍屋の店長。ジャズを中心にさまざまな音楽について書いている音楽評論家。選曲家としての仕事も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
72
凄く刺激的なセッションだった。この顔ぶれは、今までだったら中山康樹さんが入っていたと思うんだけど、彼が逝去されたことにより若い柳楽さんが参加。申し訳ないけど、80年代にジャズは死んだとか終わったとかが持論だった中山さんが新しい音楽に貪欲な柳楽さんに変わったのが功を奏している。さらには、村井さんは音楽に対して常にオープンマインド、後藤さんまで新作に入れ込んでいるとなると、100年のジャズの歴史が過去を振り返るのではなく現在に未来に繋がる波動として語られている。さぁ今のジャズを聴こう。(でも新譜高いんだよな。2017/11/22
zirou1984
30
現代のジャズが本当に最高なのは当然として、この対談本が何より面白いのはジャズという文化が30代、50代、70代を繋ぐ理想的なコミュニケーションの手段として機能していること。70代が今の音楽に興奮し、30代が先人の音楽を現在進行形に結び付けて語ることができる、それ自体が本当に稀有な事ではないだろうか。ジャズというの枠組みが音楽のジャンルを超え、様々な参照点として機能し始めていく様子が、音楽を取り巻く環境が変わっていくことを伝えてくれる本書は、まさに夾雑物として産まれたジャズそのものとして読むことができる。2017/11/21
しゅん
18
今のジャズが面白いというのは、イコール過去のジャズが今面白いということでもある。セロニアス・モンク再考から、教育としてのジャズ、インターネット以降の商業戦略、80年代ジャズの再定義(マルサリス、コールマン)と、興味深い話題を奔放に移しながら、世代の違い3人のジャズ好きが知とセンスで100年のジャズの魅力を言葉へと紡ぎ直す。「個人プレーからチームワークの時代へ」というジャズの変遷は、この県談の息の合ったコンビネーションにも表れているだろう。黒人の即興音楽というジャズの一般イメージは、ここで見事に更新される。2017/11/23
vinlandmbit
10
ページ数も然ることながら、お三方のトークの多岐に渡ること濃密なことで付いていくので精一杯。。また、いろいろと聴き進めながら随時振り返りたい一冊です。それにしても一周目で新たな発見が多くありジャズを聴き進めるきっかけをまた貰えました。2018/05/12
コチ吉
7
刺激に満ちた鼎談。昔はジャズに人間臭さを聴いた、演奏(作曲)する側の人間と聴く側の人間は発想が全く違う、など、思わず膝を打つ話がアドリブのごとく次々と繰り出される。ヒップホップ系の人達が様々なジャンルの音楽を吸収し、昨今の混沌としたジャズシーンの救世主となるのか、興味は尽きない。 2018/12/06
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