内容説明
英米文学をはじめ多くの作品を手掛けている翻訳家・古屋美登里氏が“雑読”を旨とする幅広い選書と軽妙洒脱な文章で導く豊かな世界…BURRN!1994年1月号から連載中の書評エッセイ、初期の傑作50選!著者と書評家・豊崎由美氏が「本を読む愉しみ」を大いに語る対談も収録!!
目次
内田春菊『ファザーファッカー』
山田詠美『快楽の動詞』
南條竹則『酒仙』
キャリー・フィッシャー『ピンクにお手あげ』
ジョン・ファウルズ『アリストス』
竹内久美子『男と女の進化論』
中村真一郎『読書の快楽』
アラン・フォルサム『狂気のコードネーム“明後日”』
中島梓『夢見る頃を過ぎても』
北村薫『スキップ』〔ほか〕
著者等紹介
古屋美登里[フルヤミドリ]
神奈川県出身。早稲田大学卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
90
タイトルの”雑な”には、いろいろなものが交じっているという意味である。それをふまえて読むと四方八方に及ぶ読書の紹介は自分の次読む本への参考に。2017/02/11
りつこ
38
本について書かれた本が大好きなので期待して読んだのだが、期待した以上の素晴らしさだった。読みたい本が増えたのはもちろんのこと、エッセイの部分には「わかるわかる!」と頷いたり「すごいなぁ」と尊敬の念を抱いたり…本を読むことの意味についても考えさせられた。私は翻訳本が好きなのだがそれは自分の住んでいるのとは違う世界があることを知ることができて、だけど国が違っても人間は同じなんだなということを確認できるからなんだと思った。憧れの翻訳家の古屋さん。結構ダイナミックな人なんだなというのが新たな発見。2018/03/03
阿部義彦
24
翻訳家の古屋美登里さんがヘビメタ雑誌「BURRN!」で連載している書評エッセイから50冊分を纏めました。因みにその内私が既読は14冊でした。漫画から実用、勿論翻訳ものまで本当に幅の広い選択ですが、とにかく本に対する愛情に溢れた素敵な読み物です。巻末の豊崎由美さんとの対談がまた良いです。アルバイトの給料を手渡しで貰った後は直ぐに書店に直行して目をつけてた本を買って我慢出来ず喫茶店に入り、物を眺めて至福の時間を過ごしました。本とは何か?「本はアンテナであり、窓であり、希望であり、鎧である。」なんて素敵な言葉。2017/01/29
マッピー
21
この本で紹介されている本50冊の中で、私が読んだ本が10冊ほどで、これから読もうと思っている本も10冊程度。けれども、こんなに著者に親近感を覚えるのは、既読本のほとんどを私が面白く読んでいて、未読本のなかでもこれは読みたい!と強く思った本が紹介されていたから。たったそれだけの根拠でこの著者とわたしは読書傾向が同じである!と強く勘違いをしたのである。本が売れなくなった時代に、良書を読者に手渡し、読書人口を減らさないことを自分に課する。書評というのも、なかなか大変なんだなあ。2019/05/02
ruki5894
17
古屋さんの読書案内だから翻訳モノを発掘するぞ!と読み始めたら、不思議な事に読みたい本は時代物ばかりだった!驚き。最後の豊崎社長との対談も面白い。そうだよな、私も若い頃はサブカル好き!なんて人前では言えなかった。所詮、浅はかなことがバレてしまう。サブカル好きは同時に知的なものだったな…と、思いながら私もノートに読んだ本を書いていこう。365冊はもちろん無理だけど。こういう話を耳にすると、あ〜若い時にもっと本を読んでおけば…と悔やまれるながこればっかりは。しかし、メタル雑誌に連載を持ってるなんてカッコいい!2018/05/18