内容説明
「寡黙で引っ込み思案な少年」から「傍若無人な帝王」へ―関係者証言、資料・文献の徹底調査で浮き彫りにされる“神話”の虚と実。人間性/音楽性の両面を冷静に描き出した、マイルス伝決定版の登場。
目次
マイルス・デューイ・デイヴィス3世誕生
トランペットとの出会い
初めての女性、アイリーン
エディ・ランドールズ・ブルー・デヴィルズ
ニューヨーク行きの決意
ジュリアード音楽院
フレディ・ウェブスターとの出会い
レコーディング初体験
チャーリー・パーカー・グループ
転機となったロサンゼルス〔ほか〕
著者等紹介
スウェッド,ジョン[スウェッド,ジョン][Szwed,John]
イェール大学教授。専門は人類学、アフリカ系アメリカ人研究、音楽およびアメリカ研究
丸山京子[マルヤマキョウコ]
東京生まれ。青山学院大学卒。通訳・翻訳業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
fishdeleuze
15
マイルス・デイヴィス自叙伝をA面としたら、本書はB面といえるかもしれない。綿密な取材に基づいたバイオグラフィであり、一番感銘を受けたのは(音楽家の伝記なのだから当たり前なのではあるが)音楽の制作、サウンドの作り方、楽理、ヴォイシング、レコーディングについてなどについて詳細に論じられていることだった。また、マイルススクールの大勢のミュージシャンから得られたコメントやインタビューも音楽家マイルス・デイヴィスを多面的に描画されていて、スキャンダラスな面だけでなく、全体像が描かれていた。クレバーな人だと思った。2025/11/18
Nepenthes
2
自叙伝よりもさらに豊富で貴重なエピソードの数々が興味深い。「Bitches Brew」「On the Corner」辺り参加したミュージシャンがリハーサルだと思っていた演奏がアルバムになったとか。引退中のMilesが「俺は全てやり尽くした、限界も全て試した、下らないことも全部した。この先楽しみは何も無いんだ」とドラッグに堕ちていく様が生々しい。先に進み続けるが故の孤独も痛切なまでに伝わってくる。心の中で音楽がまた鳴り始め復帰し、演奏と服と新しい人生に充実していく様子もなんともMiles。必読の良書です。2025/12/02
少年兵
0
ジャズファンはもちろん、ロック親父も楽しめる、全音楽フリーク必読の書。膨大な数の証言・資料を背景に、自伝などで語られたマイルスという神話を明け透けに、身も蓋もなく解体する。幼少期から晩年まで、出るわ出るわ抱腹絶倒やむなしな狂乱エピソードの数々。金、女、暴力、彼の人生、一体いつ退屈な時間が?このマザーファッカー!だが彼は紛れもなく音楽の求道者だった。歴史に残る名盤の陰には、必ず金言が隠されている。自伝には当然ないマイルスの最後の様子には落涙。締めの言葉はギルとショーターが愛と憎しみをもって。
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