内容説明
言葉の生命を追求して、小川国夫、梶井基次郎、中島敦、島尾敏雄の作品世界を渉猟し、トルストイ、フローベール、モーパッサン、セルバンテス、ヘッセの描く人間像への共鳴を感性豊かに吐露した、鮮烈・華麗なロマネスクの交響楽。
目次
第1部 言葉の生命(言葉が詩となる時;文体と精神)
第2部 出会いと照応(『アンナ・カレーニナ』―情熱の行方;『脂肪の塊』と『イワン・イリッチの死』―魂の孤独;ボヴァリー夫人頌;ジャンヌとエマ―人生のささやかな真実と「幻影」の真実;書物から人生という舞台へ―ドン・キホーテ考;もう一人のドン・キホーテ―サンチョ・パンサ考;ヘルマン・ヘッセの『デーミアン』―永遠の詩、または高貴なメルヘン;ポルトガル尼僧の五通の手紙)