内容説明
著者、呉〓齢(オヘリヨン)女史は、幼時から虚弱特異体質に苦しんできたが、1978年末、39歳にして癌の徴候をおぼえ、診断の結果、末期癌の宣告を受けるが、悲しみと恐れと不安と怒りをもって、この死病に真正面から立ち向かい、苦しみの中でそれと闘い、そして、その闘いの末に、奇跡的ないやしを経験する。その闘う自己の姿を、文学者として、あるいはそれ以上に、カトリック信者として、真剣に、激情的に、あるいは冷静かつ客観的に、反省し、観察し、かつ記録する。その闘病生活のメモ、12冊を基礎にして、体験記が新聞に連載されたことが契機になって、本書は生まれた。
目次
第1部 ああ、妖しき「悪の華」よ
第2部 死の香り
第3部 私の手で描いた〈最後のひと葉〉
第4部 ひたすら愛だけを
第5章 新しき地、新しき天