内容説明
本書は、アメリカ南部バプテスト連盟の歴史を、その出発点の奴隷制度の防衛から説き起こし、その主要な逸脱行為―南部十一州の連邦脱退、南北戦争後に継続する人種差別、アングロサクソン民族優越感、宣教師の家父長主義、他者に向けられた頑固な偏見、女性軽視、神学的一致の強制などを剔出し、客観的資料に基づき明快に解説する。
目次
序説 南部バプテスト連盟の現代的苦境とその歴史的重責
1 「神によって設立され、統治された」組織―南部バプテスト連盟、奴隷制度および南部諸州の独自性
2 「黒人をその地位にとどめておく」―南部バプテストのなかでの人種差別主義の継続
3 アングロサクソン民族 「神の傑出した宣教者の人種」―民族的優越感と宣教師の家父長主義
4 「どこでも祝福の源泉として自由に仕える」―南部バプテストとアメリカ・バプテスト
5 「われらの神学、われらの教理、われらの方式は完全である」―南部バプテスト者と他のキリスト者
6 「エデンの園での堕罪における最初」―南部バプテストにおける女性の価値の損傷
7 「われわれのように信ずるか、さもなくば去れ」―南部バプテストの正統派的信仰の強制
著者等紹介
八田正光[ヤツダマサミツ]
1932年生まれ。西南学院大学神学科卒業、米国サウスイースタン・バプテスト神学校卒業。アジア・バプテスト神学大学院を経て英国オックスフォード大学に留学。2002年3月西南学院大学定年退職。現在、西南学院大学名誉教授
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