内容説明
1993~1945年、ヒトラー支配の時代12年に限り、告白教会の成立に始まって、第二次世界大戦に及ぶバルトの戦いを、特にナチスの最大の犯罪、ユダヤ人問題に焦点を合わせて、徹底的に追究する。バルトは、ひたすら神の言葉のみに聴従する「今日の神学的実存」を貫徹しながら、ナチズムとその誘惑に傾く教会を相手どって、全身全霊を傾けて戦う。そこから、教会のユダヤ人との共生を生み出す「イスラエルの神学」をはじめ、バルト神学の全体像が鮮やかに深化発展を遂げていく。その戦いの道程を、膨大かつ詳細な資料を駆使して、ダイナミックに描く。
目次
1 調音―序論的な設問と考察
2 接近―一九三三年までの「キリスト」教会‐イスラエル‐主題群
3 挑戦―ヒトラー体制の初期時代一九三三年
4 転轍―ドイツ的キリスト者に反対する教会内反対派へのバルトの批判
5 限界提示―ドイツ的キリスト者および教会内のユダヤ人排斥の立場一九三三年
6 包含―ユダヤ人差別に対するバルトの「含意的」態度決定一九三三年
7 発見―独占的に拘束的な神の言葉の光におけるユダヤ人
8 決断―バルメン神学宣言一九三四年
9 分離―バルメン後の月日一九三四‐一九三五年
著者等紹介
ブッシュ,エーバーハルト[ブッシュ,エーバーハルト][Busch,Eberhard]
ゲッティンゲン大学神学部教授
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