出版社内容情報
西欧精神を深く刻印してきた二人の刑死者。両者の相似と相違は何か。著者はここにもう一人――ボンヘッファーを導入し、キリスト教的実存の何たるかを鮮やかに浮かび上がらせる。また、死者の魂は眠っているか目覚めているかをカルヴァンとバルトに即して論じ、神学的死生観を倫理に接続した論考、さらに、アブラハムという信仰者像を媒介としてユダヤ教、キリスト教、イスラームの三者間対話を極限まで追求した論考など、現代において「バルト ― ボンへファーの線」を展開してきた著者が2度の来日時に語った、神学の醍醐味と喜びを味わわせてくれる8編。
【目次より】
1 ソクラテスの死とキリストの死
2 カルヴァン神学のアクチュアリティ
3 カルヴァンと旧約聖書
4 イスラエルの神の「御名」の解釈としての三位一体
5 アブラハムは一つにし、かつ区別する
6 イエスが受けたメシア的霊の洗礼
7 説教「これがヨハネの証しである。『見よ、神の小羊』」
8 説教「あなたたちは神の力を知らない」
B・クラッパート[ベルトールト クラッパート]
Bertold Klappert 1939年、宣教師の息子としてスマトラに生まれる。ヴッパータール神学大学、ゲッティンゲン大学をへてボン大学でクレックとガイヤーの下で学位取得。1974年から2004年までヴッパータールで組織神学の教授を務めた。たびたび来日している。邦訳『和解と希望――告白教会の伝統と現在における神学』(1993年、新教出版社)。