感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
一郎二郎
3
ギリシャ人が自己同一性を政治や現実の宇宙論的理解から得たのに比して、イスラエルは自ら作った伝承を通して自己理解をした。ギリシャでは神の不動性が人間の時間制と対角線上に置かれる。逆に、イスラエルでは、神の忠実さは人の歴史の上に跡を残し、超時間的ではなく全時的だ。全ての文学ジャンルそれぞれ固有時間の絡み合いから聖書的時間ができる。王国時代や定住時代には神話は歴史化された。それは日常生活と結びついた創造的物語だ。歴史の緊張そのものである神。哲学的神は死ぬ。希望の神学はこの方向を示す。他、物語・システム分析も重要2023/06/11
いとう・しんご
0
キリスト者にとっては高等批評のがれきの中から聖なるテキストを掘り起こす試みとして非常に刺激的。非キリスト者にとっても悪についての彼の検討は目からウロコ的卓見。図書館から借りて読んだが読後、直ちにアメゾンに注文した名著。2019/09/13