内容説明
著者は神秘主義を「技法」と捉え、決して特別な人たちの独占物としない。本書は、一般の人々にも届く清心・明晰な言葉でキリスト教信仰の霊性を再解釈した名著であり、今なお広く読み継がれている古典である。
目次
第１章 神秘主義とは何か
第２章 “実在”の世界
第３章 神秘家の準備
第４章 「黙想」と「潜心」
第５章 自己適応について
第６章 愛と意志について
第７章 観想の第一段階
第８章 観想の第二段階
第９章 観想の第三段階
第１０章 神秘的な生
著者等紹介
アンダーヒル，イヴリン［アンダーヒル，イヴリン］ ［Ｕｎｄｅｒｈｉｌｌ，Ｅｖｅｌｙｎ］
１８７５‐１９４１。英国の著述家・小説家・詩人。主著『神秘主義』（１９１１年）を始め、神秘思想・霊性に関する著作を数多く執筆。神秘家による著作の編集作業にも尽力し、英国国教会においては黙想会の指導者としても活躍した。彼女の著作は、一般の人々にも届く言葉で、キリスト教を中心とした既存宗教の伝統を再解釈・再評価したことに定評があり、今なお読み継がれている
金子麻里［カネコマリ］
１９６８年生まれ。幼稚園から高校まで、立教女学院で学ぶ。１９９０年、国際基督教大学卒業（国際法専攻）。２０１０年、ルーテル学院大学卒業（神学学士）。東方キリスト教学会会員。日本聖公会聖マーガレット教会所属（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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新地学@児童書病発動中
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キリスト教神秘主義について述べた本。この種の本の翻訳は生硬な訳文によって読みにくいこともあるが、この本は読みやすい。ただし内容を理解するには忍耐がいり、繰り返し読むことが必要。聖書やイエスのことはほとんど語られず、完全にエゴを捨て去ることの重要性が説かれる。すぐに「私」が前に出てくる私にとっては耳の痛いことだ。没我の状態になった時に見えてくるものについての描写は美しく、この世の創造者の深い愛を感じた。神秘主義は世の中から退くのではなく、この世の悲惨さに向き合う力を与えてくれることを教えてくれる良著。2015/12/01
