目次
序章 「旧約聖書」と「新約聖書」―ユダヤ教とキリスト教(ユダヤ教とキリスト教;ユダヤ教の聖書とキリスト教の「旧約聖書」 ほか)
第1章 ユダヤ教の成立とモーセ五書の編纂―民族アイデンティティの危機とその克服(民族宗教としてのユダヤ教;古代イスラエル史概観―ユダヤ教の成立まで ほか)
第2章 ユダヤ教の展開―ヘレニズムとの邂逅(ヘレニズムとユダイズム;諸書 ほか)
第3章 キリスト教の成立と新約聖書(キリストとイエス;イエスの活動と思想 ほか)
終章 「神学」とはなにか―「神」という「言葉」の問題(キリスト教の反ユダヤ主義;「聖書」の暴力性 ほか)
著者等紹介
上村静[ウエムラシズカ]
ユダヤ学・聖書学専攻(Ph.D.)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てっしー
7
「キリスト教を学ぶには、一般的な出版社の入門書を幾ら読んでもかえって遠回りになる」という趣旨のことをかつて佐藤優氏が言っていたので、専門出版社の本を読んでみた。結果、かなり良かった。キリスト教出版社とはいってもかなり客観的な立場から書かれていて、イエスの奇跡も作り話と断言している。コヘレトの言葉や雅歌のような信仰的でない書が聖書に選ばれている理由も初めて分かった。内容そのものには満足だが、本文と脚注とコラムがページをまたいで三つ巴に入り組んでいる体裁はなんとかならんかね。2014/03/21
ブルーローズ
4
2012年9月読了。古代になじみがないせいか、旧約聖書の部分は読解に苦しんだ。さらっと専門用語が出てくるし。それでも通読をお勧めする。これらの聖書を用いる宗教風土が各国にあるし、彼らの思想の背景にあるのは間違いないから。2013/03/21
S
0
タイトル通り旧約と新約の聖書に関する本だが、聖書の成立過程や時代背景を重点におきつつ内容を説明する本。(なので、聖書の内容を多少は知っている方が読みやすい) 中身は色々と興味深く面白い。が、細かい点はともかく、信仰を基に聖書が成り立っている(そこには政治的な思惑も含まれる)のであって、その逆ではないということをきちんと認識することが重要かと思う。 最終章では、聖書という形で信仰を言語化することによる弊害が述べられている。2023/07/02