出版社内容情報
下巻は「宗教改革から現代まで」を取扱い、平易な物語風の叙述で、キリスト教の通史として好評。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゃんたか
19
中世ヨーロッパを覆ったカトリックの黒雲がルターの閃光で弾け、世界は動乱と殺戮の時代を迎える。正義に固執する戦争のおぞましさがこれでもかと繰り返された末、信教の自由と政教分離が確立し、時代は本格的に近代に入る。宗教界が熱狂と鎮静を繰り返す一方、デカルト以降の国際社会は科学的合理主義が常識となるが、二度の世界大戦はかかる素朴な楽観主義を徹底的に粉砕した。進化史観が色褪せる頃、キリスト教は公民権運動で独自の地歩を見出だし、かつては北から南へと支配的に広がった西洋宗教はむしろ被抑圧者のものであることを再確認した。2017/11/30
ころりん
3
宗教改革以降を扱う下巻も読み応えがあり、しかも実に生き生きと、影も光も問題も功績も、偏らないように伝える(だから、面白い!)教会史。 時代や地域で、重ねてきた歩みや課題はとことん違った。 そして教会が新局面に、戸惑い、間違い、流される方が圧倒的に多かった。 教会が「世界に遣わされている」ことは、間違いがないとか答を差し出せるとか、そんなイメージが崩される。 むしろ、謙虚に、手探りで、どうやってか憐れみを表し、真実であろうとする以外にないのだ、と思わされた。 「過去の焼き直しではダメ」と気づかされる読書です2016/01/25
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