感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
76
主の祈りの一言一言をなぞらえながらなされた説教なだけに響くものがあります。第二次世界大戦末期、ドイツ敗戦という時代が背景になっているだけに戦争の恐ろしさや時代の痛みが伝わってきます。命と平和を何よりも考え、罪悪を目の当たりにするような社会だからこそ祈るべき祈りとして神様から与えられたのが主の祈りだということを強く感じました。キリスト者として、日々キリストを見つめる中で主の祈りを深く知ることで、唱えるときの想いも変わるような気がします。2016/09/04
はや
8
名著。第二次世界大戦の末期とドイツ敗戦の直後という非常な時代になされた説教が文字として起こされた。説教が中断された旨、教会堂が壊滅してしまったために別の場所で続けられた旨がところどころに記されており、戦争の恐ろしさ、痛痛しさと緊張感をも伝えている。罪や悪が顕在化し、命と平和を祈念するそのような状況にあって、キリストを日々体験しているからこそ言葉に深い知恵と力を増すのだろうか。「主の祈り」で日本語でかつ、入手が容易な本としてこれは間違いはないと思う。ただし、高尚で深い神学を展開しているため難易度は高めだ。2016/07/16