出版社内容情報
学際的知見を総動員して史的イエスの実像に迫る。\05年2月迄特価三四六五円。
内容説明
ラディカルな平等主義を志向したユダヤ的キュニコス主義者の生と死、そして…現代新約学のニューウェーブ「第三の探求」からの挑戦。
目次
プロローグ キリストからイエスへ
第1章 二人の「神」の物語
第2章 ヨルダン川にあるのは水だけではない
第3章 厄介者と無に等しい者たちの国
第4章 初めに身体がある
第5章 杖も履物もずだ袋も持たずに
第6章 十字架の下の犬ども
第7章 復活の日曜日は何年間の出来事か
エピローグ イエスからキリストへ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう・しんご singoito2
9
リクールきっかけ。'94年公刊と新しめの本。フィロンやヨセフスなどほぼ同時代の著者の精読と最新の政治社会史や考古学の情報を駆使して、ギリギリ確実な史的イエス像を追求している。普通に考えるとこういう認識にしかならないだろうと納得の結論で、激しく同感してしまいました。聖書と格闘した信仰の精華を示す、すべてのキリスト者に読んで欲しい名著。2023/05/12
Hajime Ito
0
新旧約聖書と外典、ヨセフスやタキトゥスなどの歴史書を動員してあくまでも歴史学としてイエスの行動と教えを研究している本。そこから浮かび上がって来るのはイエスとその弟子たちが合法的に持つ者が持たざる者を搾取し続ける社会に怒り、あらゆる差別を排した開かれた食卓を大切にし、一箇所にとどまることなく福音を宣べ伝え続けることで神の国を建設しようとする"家のない宣教者たち"であったということでした。2014/08/29