出版社内容情報
邦人の手になる久々のローマ書本格注解
修辞学的=書簡論的分析の成果
ローマの信徒への手紙は紀元57年頃、コリントに滞在する使徒パウロが、ローマ帝国東半分のギリシア語圏で伝道を終えた時点で、まだ訪問したことがないローマの教会へ書き送った手紙である。著者はこのテキストを、当時のディアスポラ書簡の文脈に置き直し、編集史的な観点と共に修辞学的=書簡論的な分析を施すことによって、著者と読者とのコミュニケーションの中でいかなるメッセージがやり取りされたかを精緻に解明する。
上巻は、緒論に続いて8章までを扱う。
下巻は刊行準備中。
原口尚彰[ハラグチタカアキ]
1977年、東京大学法学部を卒業後、日本ルーテル神学大学、同神学校を経て、シカゴ・ルーテル神学校で博士号取得。明治学院大学一般教育部講師、聖和大学人文学部助教授(新約聖書学担当)、東北学院大学文学部教授(新約聖書学担当)を経て、2015年よりフェリス女学院大学国際交流学部教授。
著書は『ガラテヤ人への手紙』新教出版社、『新約聖書概説』教文館、『信じることと知ること』東北大学出版会、『ロゴス・エートス・パトス:使徒言行録の演説の研究』新教出版社、『新約聖書釈義入門』教文館、『新約聖書神学概説』教文館、『幸いなるかな 初期キリスト教のマカリズム』新教出版社、など多数。