内容説明
鉄道の謎も歴史もドラマもその答えは地図にあり!今尾恵介所蔵のお宝地図も掲載!
目次
第1部 地形で線路を楽しむ(河川編;海岸編;山岳編)
第2部 地図でたどる鉄道路線の激変地区(東日本編;西日本編)
第3部 地図で見る幻の鉄道路線(ウソが描かれた路線編;未成線編;両岸鉄道編;遊郭路面電車編)
著者等紹介
今尾恵介[イマオケイスケ]
1959年横浜市生まれ。地図研究家。明治大学文学部ドイツ文学専攻中退。中学生の頃から国土地理院発行の地形図や時刻表を眺めるのが趣味。出版社勤務を経て、1991年にフリーランサーとして独立。地図・地名・鉄道関係の単行本の執筆を精力的に手掛けている。現在、(一財)日本地図センター客員研究員、(一財)地図情報センター評議員を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
109
山あり谷あり川ありの日本地図を開くとまず線路がどう走り、どこと結んでいるのかを探る自分には実に楽しいトリビア集。それぞれの鉄路には建設された理由や歴史があり、地図と共に詳しく説明する「地図から見た鉄道史」だ。自然条件でルートが決まるのはマシで、国鉄と私鉄の争いで新設や消滅が起きたり、駅の設置を巡りテロまで発生したりと人の感情が反映した痕を地図で探すのは小説を読んでいる気分。また走っていない路線を描いたり、戦時改描や計画線を未確認で掲載する適当さには笑ってしまう。人の作る地図に漂う人間臭さが何とも言えない。2022/09/18
六点
98
堀淳一先生亡き後、地図と鉄道ネタの第一人者となっている著者である。美麗な印刷で20万分の1帝国図「京都及び大阪」の図幅がカバーとなっており、京都周辺の鉄道が現在と大幅に異なっている様子が実に読書欲を誘った。然し乍ら、鉄道の路線変更や廃線のネタは、もともとの母数が限られている。正直、ネタが尽きているようで、奥付を見れば著者の2冊の著書を再構成したものであると記されていた。昭文社の美麗な地図印刷を大いに味わえ、良い読書経験であった。本は必ず手に取って見てから買うべしと言う基本を再確認したことであるよ。2022/08/25
縁川央
4
地図や鉄道に対する愛がすごすぎる。古い地図と見比べて、そんな細かい違いに気づかないよっていうところを掘り下げて解説してくれるある種の奇書かもしれない。2023/04/07
のぶさん
4
歴史とともに変遷する鉄道路線を地図の変遷からたどる。知っている話もあったが、実際の地図を精査するとなるほどと思う。2023/03/06
siomin
3
過去の地図を比較しながら,鉄道路線がどのように変遷してきたかをまとめた一冊。この著者の本をずいぶん読んでいることもあり,既知のことも多いが,それでも遊郭路線など初めての話も出てきました。太平洋戦争中の地図は戦時改描を強いられ軍事施設等を消すけど,その消し方が妙に不自然であったり,消し忘れがあったなど,謎が多い。地図はありのままを記すのが原則なのに圧力で筆を曲げないといけない担当者の無言の抗議なのかも,という著者の指摘は,根拠はないけどなんか突き刺さった。2022/08/18