出版社内容情報
私の人生は奪われた――
女子高生(17)と中年男(38)。
女と男、人格逆転ドラマ。
1年前、体と人格が入れ替わった男女。
小田薪葉菜(おだまきはな、女子高生・17)と
木根正吾(きねしょうご、自動車工・38)は、
ある日突然、体と人格が入れ替わってしまった。
別人の体のままで1年が過ぎ、偶然2人は再会する。
少女の体になった男は
容姿を磨き美しい読者モデルに、
中年男の体になった少女は
記憶喪失扱いで定職を失っていた。
再会した“自分”は
あまりにも違う“自分”になっていて――。
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椎名みさの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すみの
33
女子高生・葉菜と中年男性・正吾の中身が入れ替わる。うまく葉菜の体に適応している正吾とそうでない葉菜。しかし素直な葉菜は新しい環境に慣れようと必死で第二というべき人生を生きている。一方、読モになった正吾は不安だ。地道に努力する見かけおじさんの葉菜に、見かけ通りの年齢の落ち着きを感じ、他人に影響され悪い方に転がる危うさをその見かけからも中身の正吾からも感じてしまう。2016/01/12
きわ
32
やっぱりヤマシタさんだな。なんというか、二人の気持ちの揺れ動きが言葉と表情でこれでもかってくらい表現されてた。入れ替わりものとかありきたりだなーと思ってたけど、全然、やっぱりヤマシタさんの手にかかったら、すごい素敵な、ハラハラする、ストーリーになりそうだ。2015/12/12
まりもん
22
友人に借りて読了。知らない異性と身体が入れ替わるなんて辛すぎる。それも女子高生からおっさんは辛い。2017/05/16
天の川
19
男女の身体と心が入れ替わってしまう話は多々あれど…やっぱりヤマシタさんは違う。冴えなかった中年男は女子高生の身体を使って人生を失敗しないと心に決める。人生の経験値を持たず、職を失い、庇護者を持たない元女子高生の方が圧倒的に不利だ。少しずつ置かれた状況を受け入れ、周囲に受け入れられ始める元女子高生を見て不安を感じる元中年男。記憶は混じり合い、混沌とし・・・「今のわたしは元のわたしとは違う」。ザワザワとした気持ちになる。2015/12/19
gelatin
19
★★★★ 絶好調だなぁ、ヤマシタトモコ。出版数が多いだけじゃなくて、中身がちゃんとしてるもんなー。ホントは「公民館便り」も「三角窓」も続きを書いて欲しいのですが、これはこれですこく面白い。最強でニューゲームなんてのはないよっていうのは、真実よりも強い呪いのようだ。彼らの体と脳の記憶が融合していくあたり、さすがだなーと。さて、どこに到着するのでしょうか。今後も楽しみ。2015/12/05