出版社内容情報
どんな部屋に住みたいか。
それは、自分の人生を見直すことでもございます。
片付けが、わたくしの使命――
スゴ腕の整理収納アドバイザーが、
驚きのアイデアで散らかった部屋と人生を大そうじ!
人生の棚卸し小説。
夫に先立たれ一人暮らしのタカ子は、ついモノを買い込んで、気づけば家は散らかり放題。整理収納アドバイザーの中村真穂に片付けを依頼すると、棚の奥からタカ子の編んだ大量のセーターが現れた。タカ子は迷わず「捨てる」と言ったのだが……亡き夫の愛とタカ子の再出発を描く「買い過ぎた家」のほか、クセは強いが腕は確かな整理収納アドバイザーの、人生をも整えるお片付け連作小説。
内容説明
夫に先立たれ一人暮らしのタカ子は、ついモノを買い込んで、気づけば家は散らかり放題。整理収納アドバイザーの中村真穂に片付けを依頼すると、棚の奥からタカ子の編んだ大量のセーターが現れた。タカ子は迷わず「捨てる」と言ったのだが…亡き夫の愛とタカ子の再出発を描く「買い過ぎた家」のほか、クセは強いが腕は確かな整理収納アドバイザーの、人生をも整えるお片付け連作小説。
著者等紹介
桂望実[カツラノゾミ]
1965年、東京都生まれ。大妻女子大学卒業。会社員、フリーライターを経て、2003年、『死日記』でエクスナレッジ社「作家への道!」優秀賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
142
あぁ・・私には絶対無理な職業の一つ『整理収納アドバイザー』一度お願いしたいなアドバイザー・真穂さん。初めは苦手かもと思ったけれど印象は変わるのも良かった。モノを片付けることは今迄とこれからの生き方を考えることになる―そんな感じ。「人生を大そうじ」これからの私には一番必要な言葉な気がする(汗)チラッと垣谷さんの作品の女性が頭を過ったが、それはまた別の話で・・2025/06/15
モルク
124
整理収納アドバイザー中村真穂が、その人や家族に合う片付けの助言をすることにより、家に溢れている物のみならず依頼人の心をもほぐし再生するという5話の連作短編集。これほどまでではないが、我が家を見ているような既視感が。子供が小さい頃書いた作文、絵画、使いもしないのに旅の思い出として買ってしまった物の数々。捨ててもいいが、家族の思い出までなくなってしまう気がして捨てられない。真穂さん、うちにも来てください。目から鱗の部分、そして夫婦愛、友情に涙するところもあり面白かった。2025/05/13
hirokun
114
★3 整理収納アドバイザーという断捨離を請け負う人のお仕事小説かなと思って読み始めた。内容を読むにつれて、もっと深い示唆のある小説だと気付かされた。依頼者の人生を振り返り、過去と未来を再編成することが大切な事は、私自身の現在にもピッタリと当て嵌まることだと思いながら読み進めた。読み易い文章でありながら、人の生き方を見直す上で、本質を突いた示唆を含む作品であると思う。2025/04/11
Karl Heintz Schneider
89
「腕が鳴ります。」ゴミだらけの部屋を見た真帆はそう言って微笑んだ。中村真帆は整理収納アドバイザー。依頼者の悩みに耳を傾け片づけられない理由を探ってゆく。「片づけるためには、ご自分の過去と未来を再編成する必要がございます。この作業に取り組むお客様の隣で支えるのが私の仕事だと考えています。」彼女の規定料金にはカウンセリング料が含まれている。ただ機会的に要らないものを捨てることはしない。捨てられない、片づけられない、には必ず理由がある。その原因を突き止めたら彼女の仕事の大半は終わったも同然なのだ。2025/05/20
tetsubun1000mg
86
整理整頓アドバイザーの真穂が主役の物語と思って読んでいくと、依頼者の人生再生ストーリーになっていたことに気が付いた。 夫を無くして買い物依存となる人、整理整頓が苦手でモノが見つからない家、フルタイムで働き家事もこなすが服を買い続ける人、友人を亡くした映画好きの喫茶店のマスター、片付け後に脚本が書けなくなった作家などが登場する。 物の整理や始末がメインではなく、依頼者の話をよく聞いて対応していくのだが、相手に寄り添うその方法が見事で心に残る。 文章も読みやすく桂さんの作品では一番のお気に入り作品となった。2025/05/01