出版社内容情報
2020年本屋大賞翻訳小説部門第1位
『アーモンド』の著者が贈る、
すべての人の人生を応援する、心温まる物語。
失敗しても、また始めればいい。
つかんだ藁が浮き輪(チューブ)になって水面に浮かぶまで。
仕事なし、家族なし、運もなし、ないない尽くしの中年男の、人生改造プロジェクト!
一人の力じゃ難しいなら、他の人に応援してもらったらどう?
どこにでもいる平凡な中年男、キム・ソンゴン。
仕事にも家族にも運にも見放され、彼はついにこの世に別れを告げる決意をする……が、
それさえもあえなく失敗してしまう。
この世に舞い戻ったソンゴンが見つけたのは、とある一枚の写真――
そこには若かりし頃の彼が家族とともに写っていた。
何もかも今の自分とは違いすぎることに愕然とした彼は、写真の中の自分を真似てみようと、
まずは姿勢矯正から始めることに。そんな取るに足りない小さなチャレンジが、
やがてソンゴンの人生を大きく変えていく――。
内容説明
どこにでもいる平凡な中年男、キム・ソンゴン。仕事にも家族にも運にも見放され、彼はついにこの世に別れを告げる決意をする…が、それさえもあえなく失敗してしまう。この世に舞い戻ったソンゴンが見つけたのは、とある一枚の写真―そこには若かりし頃の彼が家族とともに写っていた。何もかも今の自分とは違いすぎることに愕然とした彼は、写真の中の自分を真似てみようと、まずは姿勢矯正から始めることに。そんな取るに足りない小さなチャレンジが、やがてソンゴンの人生を大きく変えていく―。2020年本屋大賞翻訳小説部門第1位。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
61
「アーモンド」が好きなのでソンさんの本を読んでみた。事業に失敗して社会から落伍しかけた中年男性キム・ソンゴンの話。厳しい競争社会で成功を手にできる人はわずか。運よく一度成功できたとしても続けて成功できるとは限らない。失敗の泥沼から抜け出せずソンゴンのように自殺まで考える人もいる。「溺れる者は藁をもつかむ」つかんだところで大して助けになりそうもない藁。だがそれに空気を吹き込んで「浮き輪」に変えることはできないか。もっと豊かな人生を送れるようになれるはず。自分が本当にやりたいことは何か?考えさせられた。2024/09/04
ぽてち
31
50歳で事業に失敗し、金も家族も失ったキム・ソンゴン・アンドレアの再生への道のりを描いた作品。プロローグで入水自殺をしようとする彼が、2年前にも同じ漢江で自殺を企てようとしていた。彼の転落人生が具体的に書かれているわけではないが、「一言で言えば、めちゃくちゃだった。」そうだ。それでも自殺を思いとどまり、日銭を稼ぐための仕事をする気力はあるのだから、まだ幸運なのかもしれない。そんな彼の日々の行いが実を結び、やがて成功への道が開けるのだが……。若かった頃の自分に戻りたい気持ちは痛いほどわかる(-_-;)。2024/08/25
kibita
13
「成功の反対は失敗だけど、変化の反対は何もしないこと。」どん底で自殺未遂までした中年男、若かりし頃の写真を眺めていて愕然とした。今の丸まった背中と弛んだ腹。そうだ、姿勢を良くしよう。今の自分が出来ること。『夢をかなえるゾウ』のガネーシャいない版みたいだなと読み進めていたが、ただのサクセスストーリでない現実的。人を応援する、される事って想像以上に大事。今誰かに応援してもらいたい方におすすめ。私も、最近サボりがちだった1日10分のヨガストレッチを再開します。2025/01/29
まろまろ
11
ソンゴンには素直さと行動力がある。なので気づいた直後に動くのだ。その大小を問わず、何でもやってみただけだ。その結果は、急上昇して高みにたどり着いたが、喜びに浸る間もなく地獄に落とされ振出しに戻る絶望状態。この流れは「アルジャーノン~」を彷彿とさせる。でも結果ではなく過程が重要、殻に閉じこもることも含めて。うまくいった自分を誉め、ダメな自分を受け入れる。人生、その繰り返しなのだろう。藁はいつでも浮き輪にできる、それが心に刺さった。2025/03/07
二人娘の父
10
「失敗した人が再び立ち上がって成功する物語」を読みたいという「注文」から生まれたという作品。全編にわたり、注文通り、変化を恐れず、失敗しても何度も何度も立ち直る中年男性が主人公だ。清々しい。再起をめざす人の背中を押す作品だと思う。思うのだが、何か胸に迫るものがなかった。もう少し、もう1つ何かの仕掛けが欲しかった。作者の過去作からすれば、そんなことを期待してしまう内容だった。特別に悪いとは言わないが、特別に良いとも言えない。私にとってはそんな作品として、いったん本棚にしまおうと思う。2024/12/14
-
- 和書
- テレビタイトルロゴタイプ