内容説明
“見守り屋”の犬森祥子のもとには、様々な依頼が舞い込む。話し相手になったり、頼まれれば片づけをしたり、夜から朝までひたすら人を見守るのが仕事だ。夜勤明けの楽しみは「ランチ酒」。仕事の疲れを癒しながら、離れて暮らす一人娘に、これからの人生に思いを巡らす。そんなある日、十歳になった娘から「話したいことがある」と連絡が入り―。思い出の餃子×ビール、遠くへ行きたくなるお好み焼き×レモン酎ハイ、好きな人と食べたい白いオムライス×白ワイン…。
著者等紹介
原田ひ香[ハラダヒカ]
1970年神奈川県生まれ。2006年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞受賞。07年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
453
原田 ひ香は、新作中心に読んでいる作家です。読み続けている「ランチ酒」シリーズも第三弾となりました。角谷氏とのランチデートは主旨が違う気もしますが、安定の面白さでした。 オススメは、『蒲田 餃子』&『高円寺 天ぷら』&『新橋 鰤しらす丼』です。 https://www.coffret-web.jp/lunchsake-3/1/2021/10/07
りぃぃ
262
食べ物の描写にリアリティがあって、思わずゴクリ。食べたーい!!飲みたーい!! 読後に第3弾だったことを知る💦2022/03/23
fukumasagami
252
『犬森洋子には、明確な基準がある。酒に合うか合わぬかだ。』見守り屋からの脱却、あらたなる生活をはじめる主人公。それでもおいしいものを食べて呑んで生きる活力にしていくだろう。2021/12/13
Yunemo
239
みんな実在するお店なんでしょう。ぜひとも味わってみたい料理ばかり。祥子の見守り屋夜勤明けのそれぞれの依頼人への心情、自身のプライベートの心情が、選んだ食事と酒の絶妙さが相俟って、じわりと胸に刻み付けられます。食べる喜びも、一人の場合と二人の場合との違い、いいものですね。人が人に惹かれ、心から一緒にいたいと思う時間はごくわずか、それはうつろうかもしれないけれど、だからこそ小さな疑惑にこだわるよりも、今の気持ちに素直になろう。なんだか身に沁みますね。祥子の心の揺れを、それぞれのランチ酒によって表現されてます。2021/06/27
いつでも母さん
215
シリーズ第3弾!祥子のランチはお酒に合うか合わないか!このぶれない基準が好きだ。別れて暮らす娘・明里は賢くて関係もイイ感じ。角谷ともゆっくり進んでるのが心地良い。それにしても読了後は絶対にお腹が空く。もう入らないと思っても食べたくなる。吞みたくなる。私の本能を刺激するこのシリーズは危険だけれど大好きだ。2021/07/07