内容説明
完全なる負け犬の遠吠えが突き刺さる!観るもの聴くものすべてに嫉妬して、怒り悶える若者が綴る「悔しみ」の記録。
目次
満足そうな顔が憎い
『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』
『天才はあきらめた』
『やっぱり猫が好き』
『流星の絆』
『あん』
『君の名前で僕を呼んで』
『ナナメの夕暮れ』
『ハウルの動く城』
逃げ出した場所〔ほか〕
著者等紹介
梨うまい[ナシウマイ]
1994年生まれ、日本大学芸術学部卒。ラジオ番組への投稿がきっかけで『悔しみノート』を書き始める。「梨うまい」はラジオネーム(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウッディ
116
ジェーン・スー「相談は踊る」に寄せられた相談、日芸を卒業してドロップアウトしているが、自分がやりたかったエンタメを目にすると、悔しさと情けなさでどうしようもない。それに対し「その悔しさをノートに書きなさい」というスーさんのアドバイスに応えTBSに届いたノートから出来上がった本です。悔しいという気持ちは、その作品が素晴らしいと評価することの裏返し、だから思ったよりネガティブな印象はなかった。ただ、他人に読ませるものというより、本人の心の叫びを書きまくったという印象で、出版するほどの内容ではないような・・。2021/01/29
kum
32
ラジオ投稿をきっかけにジェーンスーさんから勧められて書き始めたという悔しみノート。いい映画や芝居を観ては熱く褒めた上で、それを作れない、そこに立てない悔しさや嫉妬の言葉を吐き、でもその裏には本当は自分もそっち側へ行きたい気持ちとかその世界への愛が存分にある。そんな自分を客観的に見てうんざりしてるところも人間らしいし、自分の感情をナマのまま取り出して言葉に出来る力がそもそもすごい。自意識や執着といった苦いものと戦う20代の叫びながら、自分にとっても笑い飛ばすだけでは終わらない本だった。2021/07/04
Natsuko
23
友と共読。予備知識なく平日の夜読みはじめ、いったんダウン、パタッと本を閉じた。悔しみ、嫉妬、妬みのエネルギーが強すぎる。数日寝かせ、出版のいきさつを改めて確認し、自身の充電の上、心して週末に読み進めた。やはり負のオーラが凄く、自分のスタンスが分からず混乱しているのかもと自覚。「尖ってばかりで…周りが疲れるぞ」というこちらも怒りか、「若いね」と笑ってあげるのか、「本心て私もそうだよ」という共感か…。M-1あたりから、この方は極端に不器用な一生懸命さんなんだと愛らしさも感じ始め読了、少しほっとしている。2021/08/01
d3
16
良い作品に出会うと嫉妬し、悶える。 作りたい、売れたい、愛されたい。日芸で芝居を学んだ著者による、心の底に巣くう汚泥のような悔しみが書き付けられた記録。 「それ私が思いつきたかった」 「大変だったけど楽しかった、って。そっち側に行きてえ」 「私が生きとるこの瞬間にもこういうモン作っとるのかと思うと」 強い人だと思う。悔しさがあったとしても正直に書くことは難しいはずだからだ。悔しみに直視し、エネルギーに変える。荒療治の過程を読者は共にたどることができる。2022/11/16
nonicchi
12
ジェーン・スー「生活は踊る」相談コーナーから誕生した一冊。発売前から予約して楽しみにしていました。最初から最後まで著者の「悔しい!でも凄い!」というエネルギーを受け止めるの、なかなかこちらもパワーが要りました(笑)。舞台をやっていた人だけあって、映画、舞台、本といろんなところにアンテナを張っていて、悔しい悔しいと書き連ねながら、自分を完全否定することがなくなり、また何か表現してみよう、という境地にたどり着く過程を目撃させて頂きました。この本自体が、素晴らしい表現の場になってると思います。また会いたいな。2020/09/07
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- 和書
- 熱帯夜 角川ホラー文庫