出版社内容情報
三崎亜紀[ミサキアキ]
著・文・その他
内容説明
十年前、地下プラントで、ある実験が失敗、世界を滅ぼしうる物質を生み出してしまう。漏出は食い止めたものの、そのとき壁に謎の数字が浮上、日々、数を減じるそれは、世界が終わるまでのカウントダウンと噂されるようになった。やがて数字がゼロに近づき、街に終末思想が蔓延する中、それでも住民は家族や愛する人との平穏な日々を送っていた。一方、実験に関わった二つの組織、「供給公社」と「管理局」は再び漏出の危機が高まった物質を鎮静化させるため、鍵となる人物・ハルカを奪い合い、対立を深めていた。その争いに、愛しい日々を守りたいと願う人々も加わって…。
著者等紹介
三崎亜記[ミサキアキ]
1970年福岡県生まれ。熊本大学文学部史学科卒業。2005年『となり町戦争』で第17回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。同作は三島由紀夫賞・直木賞候補となる。また映画化もされ、ベストセラーとなった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
186
書店で気になって読みました。三崎 亜記、初読です。SF思念パニック小説ですが、物語に入り込めない内に読了、出来の悪い恩田 陸作品のようでした。著者の代表作『となり町戦争』を読まないとダメなのでしょうか?2019/02/01
野のこ
77
未来は予め定まっているのだろうか。運命に向かって羽ばたいた先に明日が刻まれる…。始め、“思念の秘密プラント”とか よく分からなかったけど、そのまま読んでたらだんだんとのめり込んでいきました。現実くささと隔てを超えた世界との境界線が曖昧なのがまたクセに。ここではない場所からハルカカナタへ…。 予兆はフェルメールの楽器を演奏する女性をイメージしました。クロダさんの青い蝶が舞うシーンは特に幻想的で好きでした。泉川さんと瀬川さんは謎めいてて気になる存在で、謎も残りつつ読みごたえたっぷり。続編があったらいいな。2019/02/12
coolgang1957
41
失われた町の失われていない3095人の人達は、たぶん野生の本たちに救われてるのでしょう。いつも怒りや悲しみは本が癒してくれるのです。…うん?これはいつもの感想ではないな。ちょっと恥ずかしい😝この本を読んで《掃除部》ってなんや?と思う人は三崎亜記さんの思うツボでしょう。😆「コロヨシ」がなつかしい。2019/08/14
ぜんこう
41
本を統べる者、空を飛ぶ本、失われた町や(未読やけど)掃除の競技など、この作品も過去の三崎作品のエッセンスが各所に出てきます。 最後が物悲しく、三崎作品でこんなに涙出たことあったかな・・・ エピローグでのこの文章が僕には印象的でした「真相は、究明されるものではない。設定されるものだ。」2019/01/24
Mumiu
40
なんとか最終ページまでいったけど、読めてないなあ。もうひとつの「30センチの冒険」という感じを受けた。登場人物が多く結構こんがらがりました。西域やハイポジで「コロヨシ」を思い出していたら掃除部も出てきました。もう何回か落ち着いて格闘したほうがよさそう。暗示的だけど、案外遠くないフィクションに思えました。2019/04/09