出版社内容情報
越谷オサム[コシガヤオサム]
著・文・その他
内容説明
東京から特急列車でわずか一時間二十分、青い海と月色の砂浜が美しい南房総・月ヶ浦。この町で生まれ育った私、藤平夏海は十七歳の高校二年生、民宿「房総グランオテル」の看板娘だ。相棒は、すさまじい美少女なのに中身がアホすぎる従姉妹のハルカ。私たちの楽しみは、オフシーズンにしかできない客室でのお泊まり会だった。明日は休校、空室ありの絶好のチャンス!のはずだったのに、今日のお客さんたちはどこか様子がおかしくて…。海辺の民宿を舞台にとびっきりの奇跡が起きる最高にキュートな物語。
著者等紹介
越谷オサム[コシガヤオサム]
1971年東京都生まれ。学習院大学経済学部中退。2004年「ボーナス・トラック」で第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞しデビューー。11年『陽だまりの彼女』が啓文堂書店「おすすめ文庫大賞」を受賞しベストセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
147
越谷さんワールド全開の作品。海、砂浜が美しい町にある民宿『房総グランオテル』の看板娘「夏海」は高校2年生。絶品料理とアットホームな雰囲気が売りの民宿にちょっとワケありで謎めいた宿泊客が訪れます。ギターを抱えた無駄に陽気な中年男性、妙齢で陰ありありな女性、カメラをがっちり構えた挙動不審な若者。そんな彼らにはそれぞれに人には言い出せない悩みや葛藤がありながらも一晩を共にします。人生のちょっとしたつまづきを考え方や言葉一つで大きく変わる、変えるコトができる温かい作品だなと。越谷さん作品、やっぱりいいですね。2022/07/24
takaC
135
勝浦ではない海辺の街(というか島)に持ち込んで読みました。夏海の高校は大原高校(いすみ市にあるとなると一択だよね)なんだろか?なんて思いながら。2018/08/19
ダイ@2019.11.2~一時休止
129
民宿のお客さんと従業員家族の物語。みなさんいろいろな想いで宿泊していますが最後は予定通りのハッピーエンドで安心。2018/04/02
紫綺
110
ほのぼのコメディと思いきや、初っ端から不穏な空気。…けど、やっぱりドタバタコメディだった(笑)。南房総の民宿「房総グランオテル」を舞台に、経営家族3人+従姉妹1人と3人の宿泊客が巻き起こす明るく楽しく面白い快活喜劇。2018/05/21
美登利
106
タイトル借りしてみましたが、なかなか良かったです。越谷さんは2作ぐらいしか読んだことがありませんが自分が千葉県民であるからか、この物語の舞台はあの辺かな?と想像したりと楽しかったです。田舎の海辺の町の民宿ののんびりとした雰囲気としっかり者の看板娘の夏海の明るさがとても心地良いです。訳ありな宿泊客と繰り広げるドタバタ劇。クスクス笑えるところもあり、現実に引き戻されるような問題も幾つも出てきたけれど穏やかなラストでにんまりしました。ああ、民宿って懐かしいな。子供の頃の夏休みを思い出してちょっとしんみり。2018/04/22