出版社内容情報
長沢樹[ナガサワイツキ]
内容説明
聖央大学の超常現象研究サークル「Spiritual Lovers & Searchers」に入会を希望した理工学部応用物理学科のビンボー1年生・二神雫。「SL&S」はおばかなイケメン会長・綾崎航太のせいで、“St.ルーピーズ・サナトリウム(聖なる愚か者の療養所)”と呼ばれ学内で敬遠されていた。だが、No.2の榊智久、航太に想いを寄せる美女・中務花蓮を含め全員が日本を代表する企業の子息、令嬢で超セレブだった。試用期間の課題としてトンネルに現れた幽霊の謎を解明することになった雫は、「ここに幽霊はいません」ときっぱり。実は雫には、幽霊が視える能力が…。
著者等紹介
長沢樹[ナガサワイツキ]
新潟県生まれ。2011年、『消失グラデーション』で第31回横溝正史ミステリ大賞“大賞”を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
116
連作短編集。幽霊が見える主人公が事件に巻き込まれていく・・・。中身はガッツリ物理トリックで面白かった。2016/05/30
nyanco
65
大学生の超常現象研究サークルSLSにスタッフとして採用された貧乏学生・二神雫。 SLSのメンバー3人の超セレブぶりと、小間使い兼理系頭を期待されてスカウトされた女の子、おまけに彼女には見える力があった。 コンセプト自体は面白く、静と友人作務衣男のキャラや行動は良かったのですが、セレブ3人の方のキャラが弱かったのが残念。 コンセプトありきで後がついてこなかった感じ、もう少し練ってから作品にしたほうが良かったのかも・・・残念。2016/06/20
そうたそ
48
★★☆☆☆ 大学の超常現象研究サークルに所属することになった1年生の二神雫。学園内で軽蔑されるサークルだが、雫はサークル内の個性的な面々とともに幽霊の謎等々を解明していくことになる――。全体的にすごく軽い。デビュー作「夏服パースペクティヴ」のような軽さと爽やかさの中にしっかりとしたミステリが内在しているような作品ならまだ良いのだが、この作品にしてはただ軽いだけで後に残るものも大してない。謎解きもそれほど……だし、ストーリー全体としても微妙。デビュー作とその後の二、三作は好きだったがそろそろ見切り時かな?2016/07/24
宇宙猫
29
★★★ 心霊現象を科学で解き明かすミステリー。超セレブ達(文系)のスピリチュアルサークルに、霊が見える庶民な奨学生(理系)がお世話係兼務で入会した主人公。美少年探偵団や桜蘭高校ホスト部みたいな雰囲気。ありがちな設定だけど、それが生きてて楽しい。3話目のセレブ家族達の話は、ちょっと強引かな。2016/07/08
糸巻
28
超セレブな学生たちが運営する超常現象研究サークル『ルーピーズ』の一員になったビンボー女子大生・雫。サークルに持ち込まれた不可思議な現象に、セレブ学生たちの親の名声と財力&雫の持つ視えるチカラで解決に乗り出す3話の連作中篇。登場する学生たちそれぞれに魅力があって、とにかく良い子達ばかりだったのが良かった。有り余る親の名声と財力を持ちながらも、悩み事もあるし仲間のために直向きなのも好感が持てる。トリックはややこしく感じるが本格的で面白かった。雫がサークルに必要な仲間として受け入れられていく過程も良い。2019/07/05