内容説明
世界規模の“ウェブ万国博覧会”開催が迫った2029年。最新技術を駆使した未来シミュレーション「E計画」でスーパーコンピューターがはじきだした日本の未来は「破滅」。アシスタント・プログラマーの僕は、驚愕の光景を目の当たりにした。これは何かの間違いか…。だが直後、恐れていた事態が現実に!世界中を巻き込む、誰も直面したことがない大パニック!破天荒な女子高生・灘城小梅と僕は、口八丁手八丁で渡り合う!
著者等紹介
機本伸司[キモトシンジ]
1956年、兵庫県生まれ。PR映画ディレクターなどを経て、2002年『神様のパズル』で第3回小松左京賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まつじん
12
う~ん、結論が田舎暮らしというのもなんだかなぁ。悪くはないのだがSFっぽくないぞ。2016/01/03
toshi
10
経済破綻、文明崩壊の道程はかなり説得力があって納得してしまう。 小梅が言う何気ない一言がアクセントになっていて楽しいのだけれど、常識がなかったかと思うと、鋭い考察があったりしてキャラクター設定がしっかりしていない印象。いっそ2人にして役割分担させたほうがすっきりしたかも。 最後はその小梅が活躍するんだろうと思っていたが全くその通りの展開だった。 エピローグもほぼ想像通り。 表紙のイラストは小梅と暉(ヒカル)かと思われるが、私にはちょっとイメージが違いすぎるけど・・・2015/05/19
外道皇帝
9
スパコンで未来予測したら人類破滅するよってなった。そしてコンピュータ管理による株式取引のミスから、予測した未来が実現しちゃったよ。とまあこのあたりまではなかなか面白い。しかし、その後の破滅に至る段階で無理がある。日本では大災害でも略奪や暴動は起きなかったのに、ここではいとも簡単に起きている。外国でならあるかもしれないけど日本でこの展開は無理でしょう。前半良かったのに後半はちょっと残念。2015/06/17
臓物ちゃん
8
SFは未来なんか知らない。SFは未来を知らずに語ろうとする(難波優輝「SFの未来予測はつねに間違っていて、だから正しい」)そんな未来そのものを題材にした小松左京オマージュ作品。万博を舞台にコンピュータが予測した暗黒の未来に女子高生が立ち向かうという筋書きは映画『トゥモローランド』を思わせるが、映画同様「内容もキャラも微妙だが刺さる部分は刺さりまくる」といった出来。主人公がJKに対してずいぶん無神経なのが腹立つというか浅いというか。加速主義が「未来への脱出」とか言ってる今、再び語り直してもいいと思った一冊。2021/05/04
CCC
8
魂は細部に宿るというけれど、この作品はどうもそれがあやしく感じられる。それから、途中から読者を説得する事を投げ出している感も。着想はそれなりに面白かったと思うけれど、残念ながら評価できない。2016/02/27