内容説明
掃除当番で放課後の旧校舎に集められた「底辺」の生徒たち。「強者」によって支配される校内には、彼らの居場所はなかった。いつも誰かに怯えている彼らだったが、一人の少女の出現によって変わっていく。少女の教えてくれた“おまじない”をすれば、「なりたい自分になれる」と信じて。しかし、それは復讐劇のはじまりだった。やがて“おまじない”は全校生徒を侵食し、学校は静かに壊れていく…。
著者等紹介
水沢秋生[ミズサワアキオ]
兵庫県生まれ。出版社勤務などを経て、フリーライターに。2012年『ゴールデンラッキービートルの伝説』で第七回新潮エンターテインメント大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yuna Ioki☆
40
742-351-8 水沢秋生作品初読み。女子会で魔女的な集会かと思っていたら意外に悪意に満ちた集会だった^_^;ビー玉の件は脅し的な意味合いなのだろうけどチョコの件はやりすぎだろ。。。悪意があろうがなかろうが他人に危害を加えたらダメですな。。2014/11/04
nyanco
30
水沢秋生さん、3作目。デビュー作も学生時代の話だったけど、三作目もなかなか良かったです。おまじないと居場所のない子供たちが結びついた時…というテーマも面白かった。居場所のない子たちにおまじないを教えた女神的存在の華那、そして純粋な咲希という二人のバランスもとてもよかった。居場所のない子供たちが見つけたサンクチュアリの旧校舎の設定も良い。やっと見つけたサンクチュアリを守るために徐々に暴走していく子供たちの様子の描き方も絶妙。最後に命がけで子供たちを守ろうとしてくれた教師の存在も救いになっていました。続→2014/10/06
うーちゃん
19
「なりたい自分になれるおまじない、教えてあげる」少女の囁きで、平凡な中学生たちに 暴走と壊滅が訪れる・・・。何ともイヤな空気漂う、スクールカーストもの。"底辺"の子たちがある秘密を共有することによって"上位"の子たちに復讐を開始するんだけど、読んでいて気分が晴れるわけもなく。くすぶっていた憎しみが弾け、それがどんどん連鎖していく光景は怖くて悲しい。「こんなつもりじゃなかったのに」と、戻れない段階になって自分自身に呟く若い心の幼さと痛々しさが、何よりつらかった。2016/02/03
あまりりす
15
読み友さんの読了本から、この本を手に取りました。。。すごい。ほぼ一気読みですよ!仕事が忙しくて、読了ペースは落ちる一方だったのですが、この本は、本当に面白くて、出社時間ぎりぎりまで読んでいました。(←電車とかバスではないので(-_-;)中学生の閉塞感が、猛烈にリアルに描かれていました。なんだかすごい本だったなぁ、という印象です。でもとても面白かったです!語り部が固定されていたらもっと、感情移入できたかもですが。とても楽しめました!2015/06/23
しろ
13
☆7 学校というコミニティは改めて考えると不思議なもので、強制的に限定的に絆を求められる。そこで上手くいかなかったものは三年間もの時間を、それも大切な青春の時間を闇に染められることになる。この物語では、上手くいかなかった男子女子がまとまって復讐するもの。それを裏で扇動した教祖やおまじないの面が少し弱かった気がするけど、響いてくるものはあったので面白かった。2014/09/28