誰かJuneを知らないか

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  • サイズ B6判/ページ数 295p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784396633882
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「私のカタワレを探してきます」そう言い残して、ある日彼女は失踪した。思い出の中で、彼女はいつも泣いていた。そしていつも、雨が降っていた。注目の気鋭が描く、新しい物語。愛を求める少女の孤独な彷徨。

著者等紹介

中島桃果子[ナカジマモカコ]
1979年滋賀県生まれ。日本大学芸術学部演劇学科卒。女優として舞台・映像作品等に出演、また演出も手掛けた後、2009年、江國香織氏の選考によって『蝶番』が第4回新潮エンターテインメント大賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハルト

8
彼女にとって「カタワレ」とはなんだったのか。「私のカタワレを探してきます」と言って姿を消した彼女。埋められない孤独、絶対的な愛。純度の高いひたむきさ。彼女は「カタワレ」を見つけだせたのか。彼女に直接、間接的に関わりのあった人たちが回想し語ることで浮かんでくる彼女の存在。銀の糸で紡がれた幻のようなその儚さ。一途で刹那的で脆くあるがゆえの美しさ。彼女の歌声が波紋のように広がり、周囲の人間の心に消えないさざ波を立て続ける。センシティブさと中二病的な感じの危ういバランスが好きでした。2012/06/03

しょこら★

7
相変わらず、中島桃果子は意味不明だ。意味不明だけど―今作は特に、でも、不思議に中毒性がある。惹き付けられる。 登場人物でいうなら、セリの気持ちが一番近いかな。『あの子の何が嫌だったかって、まるで生きている世界が違うような空気感。どこかのナニナニってわかりやすいものじゃない、宙に浮いたような言葉、歌い方』 わたしの大好きな、あのひとにそっくり。奇抜で妙ちきりんでぶっ飛んだ世界観、思考回路。脳を魂をぐわんぐわん揺さぶって、引っ掻き回すの。この乱され感が気持ちよくて愛しいの。2012/08/25

冬見

6
よくわからないことだらけなのに、どうしてこう、惹かれるんでしょうね。2015/04/04

lanikai

4
相手と理解し合えたと感じた瞬間、孤独を感じる。アンビバレントだが真理でもある。知れば知るほど難しくなっていく、そういう類のことは世の中に山ほどある。でも、それでいいのだ!と著者は声高く言い放つ。ケータイ小説風の軽い筆致ながら、複雑な構成と多視点で、著者の世界観を存分に描ききった佳作。映画ヘドウィグ・アンド・アングリーインチやアラニス・モリセットのYou oughta know を事前に知っておくと、さらに堪能できるだろう。僕は頭の中でずっと曲が鳴りっぱなしだった。2012/05/24

小次郎

3
正直に白状すると、よくわからなかった。わかったような箇所もたくさんあるのに、でもやっぱりわからなくて、とても不思議な感じ。始まりから携帯小説のような軽めな文体、なのに嫌悪感はあまりなくて、なんだか気になる、読んでみたくなる。そう思わせる魅力が確かにある。はっきり言い表すことはできないんだけど。だって、よくわからないし。私は冒頭を読んで、この作品は リリィシュシュのすべて と似通った雰囲気を持っていると感じていた。でも読みおわってからはその気持ちも確かなものかわからなくなっていた。色んなことがわからない。2012/07/03

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