内容説明
「次の“バツ”は、こいつに決定していいと思うのですが」自殺した息子が遺した一冊のノート。そこには息子を死に追いやった人物たちの名が記されていた。嶋津は復讐に乗り出すが、老体にむち打つ彼に協力者が現れて…。連中を罰したい。
著者等紹介
蒼井上鷹[アオイウエタカ]
1968年千葉県生まれ。大学卒業後、会社勤務を経て執筆活動開始。短編「キリング・タイム」で第26回(2004年)「小説推理新人賞」を受賞。「日本推理作家協会賞・短編部門」の候補にも二回あがるなど期待の俊英(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しろ
13
☆4 嶋津という老人の復讐を、仲間たちが協力し、嶋津に殺させていく。しかし、その実は嶋津に罪を着せないために偽装殺人である。という設定は面白かった。でも、導入やら展開やらに面白みがなく、魅力が掴みにくかったのでもったいない。一人ひとりが違った境遇、考えでもって複雑に動いていく様は良かったし、それを利用したどんでん返しもまあ良かった。どんどん流れていく終盤は不意打ちみたいだったがミステリの感じが出てたと思う。とりあえずなぜかイマイチ感のぬぐえない作品だった。2011/08/06
たこやき
10
嶋津と周囲の関係などの説明が弱いと思うものの、嶋津を犯罪者にしないため、嶋津の復讐を捏造する、という中盤までは好き。最初は予定通りだが、どんどん難易度が上がり、そして、手伝いがグダグダになっていく。設定はトリッキーながら、いかにもありそうな感じで楽しく読めた。……が、終盤のどんでん返しは、強引過ぎる。後だし情報ばかりだし、しかも、情報の整理もされていない印象。全体を通しての完成度はイマイチだと思う。2011/06/15
外道皇帝
8
息子を死に追いやった人物のリストを元に復讐を進める老人とそれを手助けする4人の復讐ボランティア。なんで復讐に手助けするのか理解できません。また、どんでん返しに次ぐどんでん返しはいいんですが、あまりにも後出しすぎて、またかよもういいよ状態。もうちょっとすっきり説明されていれば読後感も違うんだろうけどなあ。2011/05/29
ryu
7
タイトルとあらすじを見たときのワクワク感が読み進めるにつれて('A`)となるのはもうこの人のお約束ですが、今回は中でも外れだった…orzどんでん返しは材料を読者に提示してからひっくり返さないとカタルシスがないのですよ。そこは押さえておかないと。あ、でも事態の核心を知る関係者がボケて真相がしどろもどろになるってのはわりと新鮮でよかったと思います(それはアホミスだろというツッコミは禁止で2012/01/18
月と星
6
★★自殺した息子が遺した一冊のノート。そこには息子を死に追いやった人物たちの名が記されていた。嶋津は復讐に乗り出すが、老体にむち打つ彼に協力者が現れて…連中を罰したい!の帯や装丁に惹かれて読んだのですが、いまいち。協力者たちがどうして協力するのか、ラストも誰が探偵役なのか、手紙でやりとりしていたのはなぜか、納得できる理由を私にください!2011/05/31