内容説明
心の中に開いたスキマ、会話に開いたスキマ、男と女の身体のスキマ。猫になって彼のスキマで丸まってみたい。恋がそこから始まる。
著者等紹介
桜井亜美[サクライアミ]
東京都生まれ。1996年『イノセントワールド』でデビュー。現代に生きる女性の恋愛や感受性、その痛みを描き、圧倒的な支持を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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散文の詞
119
確かにスキマってあるのかも。 猫がスキマに入り込むのもありかな。 実際に、猫も出てくるけど、妙な符号があるのは、小説的すぎかな。 ただ、前半に比べると、後半のバタバタ感がもったいない。編集の都合でもあったのか? 登場人物が全てカタカナで表現されてたけど、一人だけ漢字だったのは? 作中詩はあまり響かなかったけど、どうして主人公は『SUKIMA NECO』に惹かれていったのか? テストパイロットってのが、伏線なのかもしれないと思っていたら、ああ、こんな結末かって。 でも、映画的なラストはいい。 2020/09/03
あつひめ
37
桜井さん初読みでもう桜井さんの虜になってしまった。ちょっと大袈裟かもしれないけど、心を掴まれてしまった。心の隙間ってだれでも持っている。その隙間をうまく表現できないのが一般人じゃないだろうか。その隙間を文字で表現してくれた桜井さんに感謝したくなる。人とのつながりは何かの悪戯じゃないか?と思うほどとんとん拍子に思わぬ方向に進んでしまうことがある。幸せの結末なんて自分がこの世を去る間際ですらもしかしたらわからないかもしれない。それでも生きている時に心が躍るような気持ちを感じられたらそれが幸せの印かもしれない。2011/05/18
melon
9
彼女の文章のファンになった。人間と人間が作るパズルは組み合わせるのが難しい。相手を求める気持ちが強ければ、いつか時間をかけてスキマに橋をかける方法が見つかるから。ほんとのプロは感謝もありがとうも期待しないで100%サービスできる人。エゴの欠落感を補完したいというエゴ。決められた軌道を外れた瞬間から、あたしは初めて「普通の、いい人」のペルソナを捨てて、自分のリアルな心の形と向き合っている。幸せを手に入れる秘訣は恋愛に振り回されない強さを持つ事2014/11/12
emi
8
図書館で、とりあえず読んだことない作家さんで、目に留まった本を借りて読んでみよう‼︎と突然思い、猫好きとしてはネコと題名に入っているのと、黒にピンク色の文字が印象的だったので中身は見ずに借りました笑。中盤から現実離れし過ぎてる感じでした。不倫はいやだけど、愛したし人から同じ位愛されたいなぁと切実に思った(´-`).。oO♡2014/12/08
kishikan
7
あつひめさんのコメントを読んで、早速購入。桜井亜美さんは初読みだけど、魅せられるものがありますね。誰もが持つ心の隙間、その隙間を埋めるものが恋しくなるという気持ち、う~んわかるなぁ。それを猫という形で表現するのも妙にオリエンタルでエキゾチックな雰囲気なので、効果がありますね。全編が日常と非日常的な、というか、ちょっとトンデル話になっているので、「文学的解釈をしないと」、なんて気取っていると、最後はなんとなくドラマっぽい結末。この落差は一体なんと言ったら良いのでしょう・・・。2011/08/03