入らずの森

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  • サイズ B6判/ページ数 311p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784396633134
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

事故で陸上選手生命を絶たれた中学教師、家庭崩壊で転校してきた女子中学生、Iターン就農を目指す初老の男。無関係だった人生が「禁断の森」で交錯した時、平穏な日常が狂い始めた…平家の落人伝説、漂泊の山の民、因習の小集落…期待の大型新人が日本の原風景が残る山村を舞台に、人間の狂気と再生を描く、瞠目の野心作。

著者等紹介

宇佐美まこと[ウサミマコト]
1957年、愛媛県生まれ。2006年、「るんびにの子供」で第一回幽怪談文学賞短編部門大賞を受賞してデビュー。同作を含む短編集『るんびにの子供』で、日常に潜む怪異を通して人の心の闇を浮き彫りにする手腕が絶賛される。他に初の長編となる『虹色の童話』がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mocha

103
舞台は平家落人伝説の残る愛媛の寒村。ここでは時に気がふれる者が出たり、凶悪な事件が起こる…。入らずの森から漂い出る不穏な気配が怖い。怪談というよりはサイエンスホラー?グロテスクな描写にめげそうになったけど、ストーリーは面白かった。敬愛する南方熊楠先生も一役買ってたし、山場はスピード感のある展開で一気読みだった。2017/08/01

miyumiyu

90
「愚者の毒」がおもしろかったので、宇佐美まことさん2冊目。ホラーだが幽霊ものではなく、人の心の闇、負の感情がもたらす怪奇現象。上手いと思う。いい感じで怖かった!山奥の中学校の校歌を巡って、先生と生徒達が知ったのはおぞましい歴史だった。最後のパズルのピースがはまった時にゾワリ。後半はホラーサスペンスのようなスピード感で、ほぼ一気読みだった。デビュー作にして受賞作の「るんびにの子供」も読んでみよう。2017/07/18

ひらちゃん

80
宇佐美まことさん、女性でしたか。丁寧で緻密な調べに舌をまく。粘菌は知らなかった。何とも不思議な…。植物とも生物とも菌類ともいえる。そして知性があるかもと研究されてる。人の憎悪にまとわりつく。ホラーともSFともとれそう。ぞわっとした後味を残したままのエンディング。この本は映像化したら怖いだろうなぁ。面白いです。オススメです!2017/07/15

ちょろこ

73
ねっとりじっとり一気読み、の一冊。森の奥深くに潜む粘菌と人間の知らず知らず芽生える、ねっとりじっとりした感情をうまくかけ合わせたストーリー。初読み作家さんだったけれど意外や意外、一気読みだった。これもあれも…いったいどう繋がるのかが心配だったけれど、きちんとまとめられていてこれまたスッキリ。受け入れられそうで受け入れられないあの村社会が一番ねっとりまとわりついてきた感じ。負の感情には要注意だなぁ。2016/04/29

ケイト

70
人の心に蠢く嫉妬・憎悪・殺意、邪悪なものに取り憑かれた怪異体験。自分の心の内を見ているみたいに、そこらじゅうを這いずり回る粘菌·····にゅり にゅり ぬぅり ぬぅり。平家の落人伝説と八十年前の惨殺事件が絡み合う。飢えているアイツらは負のエネルギーを嗅ぎ分けて、森に入って来るヤツを絡め取る·····うっひゃ〜面白かった!!2022/05/28

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