下山事件―最後の証言

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 452p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784396632526
  • NDC分類 326.23
  • Cコード C0095

内容説明

「あの事件をやったのはね、もしかしたら、兄さんかもしれない…」祖父の二三回忌の席で、大叔母が呟いた一言がすべての発端だった。昭和二四年(一九四九)七月五日、初代国鉄総裁の下山定則が三越本店で失踪。翌六日未明、足立区五反野の常磐線上で轢死体となって発見された。戦後史最大のミステリー「下山事件」である。陸軍の特務機関員だった祖父は、戦中戦後、「亜細亜産業」に在籍していた。かねてからGHQのキャノン機関との関係が噂されていた謎の組織である。祖父は何者だったのか。そして亜細亜産業とは。親族、さらに組織の総帥へのインタビューを通し、初めて明らかになる事件の真相。

目次

第1章 血族
第2章 証言
第3章 総帥・矢板玄
第4章 検証
第5章 下山総裁はなぜ殺されたのか
終章 慟哭

著者等紹介

柴田哲孝[シバタテツタカ]
1957年、東京に生まれる。日本大学芸術学部中退。1986~88年、パリ~ダカール・ラリーに参戦。毎年、海外の秘境へ釣行するアウトドア派でもある。日本推理作家協会会員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

58
昭和24年に相次いで起こった国鉄(当時)の3つの大事件。その中でも総裁が轢死体で発見されるという衝撃的な下山事件の真相を探る渾身のルポ。松本清張をはじめ様々な人が書いてきた事件の謎は解明されたわけではありませんが、読み応えがありました。日本の分岐点になったと言えるこの事件、戦後の日本の闇は深かったのだと感じました。2015/04/03

B-Beat

45
◎読メにて知り、気になっていた作品、やっと読み終える。結論からいうと想像以上の面白さというか実に読み応えのある作品だった。作中の「私」がある身近な出来事から戦後史最大のミステリーと呼ばれる「下山事件」について、その関心が呼び起こされる。そして「私」の取材が始まり、次々と生々しい証言を得ていく。同時に松本清張氏ほか多くの作家や記者・ジャーナリストらよる推理なり推論なりを鋭く検証してみせる。この柴田哲孝さんという作家のこの他の作品にも通じる原点というか引き継いできたDNAを彷彿してやまない、そんな読後感。2015/03/26

GaGa

25
この手の本は、早々とすべてを鵜呑みには出来ない。ただ、昨今人気が出ている白洲次郎なんかも、何らかでかかわりがあるのではないだろうかとも思える。戦後日本もこのような闇をくぐって成長してきた。この当時に比べると今のマスコミは恐ろしいくらい成長したなあ2010/08/08

誰かのプリン

21
国鉄の利権を巡る政治家、GHQの内部抗争が複雑に交差している。 下山総裁は殺されるために国鉄総裁に選ばれたと書かれてあり、強い衝撃的を受けました。 私の住んでいる処も東武線沿線なので、一度現場に行ってみようと思います。2018/03/12

さんつきくん

17
戦後の昭和24年7月5日に発生した、国鉄三大ミステリーの一つ「下山事件」。この事件に著者の祖父が絡んでいるかも知れない。その疑問を抱いた著者は、大量の資料を読み漁り、関係者にインタビューを試みる。柴田さんの著者じゃなかったら手にしていなかったであろう本書。丹念に調べあげているのは解る。ただ謎が謎なので曖昧な部分が目立つ。当時の政界やGHQなど裏社会の構造が印象に残る。ただ大きくなりすぎ、もうちょっとコンパクトに収めて欲しかった。特務機関の矢坂玄のインタビューが一番、読み応えががあった。大きな陰謀が見え隠れ2017/10/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/495426
  • ご注意事項